「百折不撓」--何度失敗しても信念を曲げないこと。本書は46歳、7度目の挑戦で悲願の初タイトルを獲得した木村一基王位の実戦集です。
[第1部 自戦記編]では将棋の詳しい内容だけでなく、「順位戦の大変さは分かっていたつもりでしたが、A級の根性を教えられた」(対藤井猛九段戦)、「局後の感想戦では、これまで応援してくれた人の顔が脳裏に浮かび、不覚にも涙が……」(対深浦王位戦)、「タイトルが自分には縁のないもののように思えた」(対羽生王位戦)など、普段は見せない胸の内を正直に明かしています。
また[第2部 棋譜解説編]では、弟子の高野智史五段が解説を担当。「▲4九歩の先受けが印象的。受け師の片鱗が垣間見える」、「△7一角に始まり、要所での正確な受けが師匠らしい」、「中盤の△3三玉、あの一手を見ただけで誰の将棋か分かる」など、木村王位を誰よりも知る棋士の一人として、その魅力を余すことなく伝えています。
自戦記編13局のうち5局が敗局なのは実戦集としては珍しいことですが、どの将棋も歯を食いしばって戦ってきた意味のある軌跡です。ぜひ、将棋盤に並べて鑑賞していただきたいと思います。
第1部 自戦記編
第1局 第39期王位戦挑戦者決定リーグ白組
村山聖九段の絶局 対 村山 聖八段
第2局 第14期竜王戦挑戦者決定三番勝負第1局
五段で挑戦者決定三番勝負に進出
そこで起きた事件 対 羽生善治四冠
第3局 第33期新人王戦決勝三番勝負第3局
六段で初優勝 対 鈴木大介七段
第4局 第18期竜王戦七番勝負第1局
タイトル戦の初舞台を踏む 対 渡辺 明竜王
第5局 第66期A級順位戦
A級の初舞台 対 藤井 猛九段
第6局 第67期A級順位戦 持将棋指し直し局
順位戦 終局午前6時17分 対 佐藤康光棋王
第7局 第80期棋聖戦五番勝負第5局
ダブルタイトルに挑む 対 羽生善治棋聖
第8局 第50期王位戦七番勝負第7局
無念の3連勝4連敗 対 深浦康市王位
第9局 第57期王位戦七番勝負第7局
6度目の挑戦もならず 対 羽生善治王位
第10局 第60期王位戦挑戦者決定リーグ紅組プレーオフ
317手と207手の戦い 対 菅井竜也七段
第11局 第60期王位戦挑戦者決定戦
挑戦権を得る 対 羽生善治九段
第12局 第60期王位戦七番勝負第3局
巻き返しの1勝 対 豊島将之王位
第13局 第60期王位戦七番勝負第7局
46歳の初タイトル 対 豊島将之王位
第2部 棋譜解説編
第14局〜第62局 解説・高野智史五段
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