「自分にとってすでに失われてしまった風景を作り直したい、詩のような小説を書きたい。」遠くの川、遠くの建物、遠くの空。東京の町が変わろうとするあの時代に、少年の日の記憶をたどり、銀座を歩き、橋を渡って川のほとりにたたずみ、海辺の町を訪れながら、静かに書き継がれていた、胸に沁みる42篇。まるで映画のような名品集。
陸橋/犬を放つ/五つ角/塔/シャムのおばさん/始発電車/川へ/台風の前/都電から見える家/埋立地/路地の町/救済の風景/朝、川へ/鉛筆削り/遠い声/坂のある風景/橋/エアメイル/カポーティの家/枇杷の夏/崖下の家/白いスクリーン/黄色い風/河を渡ってマジック・アワーへ/槐の木の下/アプライトピアノ/橋からの眺め/夜のショウウィンドウ/倉庫の町/試写室のホタル/ペーパーウェイトのある店/ジャワの切手/勝鬨橋/晴海へ/マロニエのある店/原っぱ/ぬいぐるみ/海の見える食堂で/菜の花/わんど/浜辺のパラソル/夏のボール
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