語り手であるクニイチ(30歳位)は自分で私立探偵事務所を経営。開業医のダイゴ医師(50歳位)と共に、今までも、いくつかの事件を解決してきた。 今回の事件は、「野崎病院」という個人病院でおきた、理事長の野崎守の殺人事件ではじまった。当初、自殺として片づけられてもおかしくない状況だったが、2年越しに、殺人事件ということを、ダイゴとクニイチはあきらかにする。解決が遅れた理由は、事件の直後、首都圏を中心とした大地震がおきたためであった。 さて「逆行性記憶障害」になった鈴木宏という人物が「のぞみ苑」という老人施設に入居する。だが、時間とともに、その失われた記憶の内容が、明らかになっていく。 この「のぞみ苑」の施設長は、野崎淳。野崎淳は、野崎守の弟の野崎清の養子であり、自分が経営していた野崎酒造の日本酒の蔵が大震災にて倒壊後、蔵を再建するかわりに、新しい事業としてはじめたものである。 野崎酒造は、廃業。かつてその社長だった野崎清とその杜氏の上原春雄は、老いて「のぞみ苑」の入居者となっていた。 「のぞみ苑」で野崎清が老衰でなくなったとき、施設長の野崎淳は、その自分の父親の血液を警察のDNA鑑定に提出するよう、ダイゴ医師に求めた。それは、40年前、野崎酒造の社長の野崎清とその杜氏の上原春雄によって同時に愛され、結局野崎清に殺された岡野静子の迷宮いりの殺人事件の証拠となった。 一方、上原春雄の子供の上原岳人と、野崎淳は、同乗する車の交通事故で死亡する。 野崎淳の死後、記憶を失っていた鈴木宏は、実は、自分は野崎淳の弟の野崎英一で、かつて「野崎病院」の事務長をしていたことを知る。 その後まもなく、上原春雄も、老衰で「のぞみ苑」で死亡。その際、虚偽の「上原春雄は虐待死された」というフェイクニュースが流れ、「のぞみ苑」は経営危機におちいる。 ダイゴとクニイチは、これらの事件の真相について、明らかにしていく。
レビュー(0件)