戦後間もなくの頃、ふとしたことから私が水産資源の研究に携わることになってから50年余が経過した。その間に扱った魚種は、イワシ類、サンマ、ブリ、サケ・マスなどの浮魚から、タイ類やグチ類などの底魚、さらにはオットセイ、クジラにまで及んでいる。その内容も、漁獲量の解析、標識放流調査から、資源の動態論、管理論にまで及ぶ。これらの研究の紹介だけでも、水産資源学の入門書が書けるだろう。そう考えながら、物語を読むような気持ちで読める水産資源学の本を書いてみたいと思ったのである。理屈っぽい学問を物語り風に書くなど容易な業ではないが、その出来、不出来はともかくとして、自分の仕事を振り返りながら、一つの記録としてまとめてみたのがこの本である。
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