『このミステリーがすごい!』大賞シリーズ
累計127万部突破の大人気シリーズ! 岬洋介が挫折し、別の道へ進もうとしているときの物語。
2006年。法曹界入りした天生高春は、ピアノ経験者のようだがなぜかクラシック音楽を避ける岬洋介とともに、検察庁の実務研修を受けていた。
修習の一環として立ち会った取り調べの場に現れたのは、絵本作家の夫を刺殺したとして送検されてきた絵本画家の牧部日美子。
日美子は犯行を否認しているが、凶器に付着した指紋という動かぬ証拠が存在する。
取り調べが打ち切られようとしたそのとき、岬が突如ある疑問を投げかける……。
レビュー(92件)
もう終わってしまったけどテレビ放送されていた嗤う淑女の作者で、私は大ファンです。同じ先生が書いたとは思えない、いい意味で裏切られる作品です。
天は二物を与えずという言葉とは正反対に、司法試験のトップ合格者は稀有なピアノの才能の持ち主でもあったが、さてその人は司法とピアノ、どちらの道を選ぶのか・・・という物語です。本筋からはそれますが、覚せい剤の売人である被疑者(仕事に疲れて心が弱っている時にクスリをすすめられて依存症となり、売人にもなってしまった)を「可哀想だから」と不起訴処分にするのではなく、刑務所に入れて依存症から離脱させるのが真の「温情」であるというくだりが印象に残りました。他人を依存症にしてやろうと画策する人間って、実際にいますからね。面白かったです。
なぜか購入するのを忘れていた1冊でした。「もういちど」ピアニストにもどってきてくれてありがとうの一言につきますね。