異文化社会のリアルな歴史像を描き出す方法を求めて、著者は長年メキシコの先住民の村に通い続け、伝統と近代のはざまで揺れる人々の語りに耳を傾けてきた。村での様々な出会いと気づきに加え、愛娘の早すぎる死、自身の臨死体験を重ねて、〈いのち〉の原点から世界をみつめる境地に至る半生の歩みを、軽やかにして味わい深い筆致で綴るエッセイ。
はじめにーー問われる「表側の常識」
1 レンズのこちら側・あちら側
せめてひと言/隠し撮りされて/撮るということ/「芝生」からのまなざし/他所者は帰れ!
2 インディオの村で考える
ひと切れの肉/立場に立てる?/ズレに悩む/分かったつもり
3 〈いのち〉みつめて
遠ざかる村/預かったいのち/研究者に戻れよ!/記憶のズレ/現場への復帰
4 激変の村
七年ぶりの村/フアニートとの再会/砂漠で消えた若者/役人とインディオの狭間で
5 聞き取りと歴史叙述
時に危険を冒しても/問いと語り/風景の中の語り
6 残された時間
心まで猫背/残された時をいかに
結びにーー〈いのち〉からすべてを
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