中国の古典には、王羲之「蘭亭序」、杜甫「感時花濺涙、恨別鳥驚心」、沈既済『枕中記』、李商隠「夕陽無限好、只是近黄昏」など名作・名句と言われながら、その主題や解釈に議論があるものが少なくない。それら未解決の名作を取り上げ、あくまで原文に即しつつ、一字一句の典拠や作品の背景を究明し、あまたの議論に終止符を打つ。
好評を博した『中国古典をどう読むかーー規範からの逸脱、規範への回帰』の姉妹版。
はじめに
第一章 王羲之「蘭亭序」-死への恐れと悲しみ
第二章 陶淵明「飲酒二十首」-官界から田園へのはざまで
第三章 柳宗元の愚渓と謝霊運の始寧ーわが園林への愛
第四章 杜甫「春望」の「感時花濺涙、恨別鳥驚心」-「花」も「鳥」も詩人と一つ
第五章 沈既済『枕中記』-幸せの鍵は欲をおさえることに
補 論 李公佐『南柯太守伝』-人生は不可知の何者かに操られている
第六章 『杜子春伝』-いかなる情よりも深い母の愛
第七章 白居易「琵琶引」-自分と女性と音楽への愛の結晶
第八章 白居易「燕子楼三首」-主人を亡くした妓女の悲哀への共鳴
第九章 李商隠「夕陽無限好、只是近黄昏」-「只是」は「しかし」か「ひたすら」か
第十章 李商隠「曲江」の「傷春」-時代の惨劇に関われない痛苦
第十一章 蘇東坡の酒ー生涯のこよなき伴侶
あとがき
参考文献
初出一覧
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