患者に「知らせる」のではない、患者ががんを「知る」のだ。そのことの意味を問う。
「すること」を追い求めた看護師の「できること」がないことによる挫折。「そこにいる」ことをしなかった自分への気づきから、著者の看護とは何かの探求が始まった。がん治療に通う人の語りを聴き、物語に書き移し、その意味を考えるという研究のなかで、解釈する人として寄り添うこと自体が看護なのだということを確信する。よく生きることを支えるために、看護師は聴く人であり、患者とともに哲学する存在なのだ。マニュアルなどない、「考える看護」の宣言。
看護に迷い、悩み疲れている看護師に、本書をそっとすすめてあげてください。立ち直る勇気がジワッとわいてくるでしょう。
主要目次
まえがき
第1章 ゆらぐ看護観
1.ある看護師の初心者時代 2.自問自答ー緩和ケア病棟で
3.患者を理解するということ
第2章 がん患者の語り
Aさん Bさん Cさん Dさん Eさん
第3章 語りの解釈と意味の理解
1.人はなぜ語るのか 2.語り手の世界と聴き手の世界
3.がんであると知ることの意味 4.意味とは何か
第4章 考える看護ーー患者とともに意味を問いつづける
1.がんを知らされることと、がんを知ること 2.看護における科学優先主義批判
3.意味はそこに立ち現われる 4.「・・・とは何か」を」自らに問う
5.問いを問いつづける
あとがき
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