私の夢まで、会いに来てくれた 3・11 亡き人とのそれから
2016年から1年をかけて、東北学院大学の金菱清教授とゼミ生たちが岩手・宮城・福島の被災地をまわって集めた「夢」にまつわる証言集。
被災者の方たちから「震災で亡くなった人が夢に出てきたらしい」という話を何度か耳にしたことをきっかけに、金菱教授のゼミ生たちが震災住宅などを回り、のべ200人以上の人から聞き取り調査を行って集めた27編を収録しました。
体の一部しか見つからず、母の遺体を抱きしめることができなかったと悲しむ女性の夢、妻と1歳の娘が何度も自分の夢に遊びに来てくれると話す男性のエピソード、友人に「行くなー」と叫んでも声が出ない夢を100回以上も見るという高校生の話など。悲しい夢から、心温まる夢までさまざまです。
大切な人との突然の別れを経験した人々がその悲しみを乗りて前向きに生きていく姿は、大切な人を想うすべての人にとって励ましとなる一冊です。
一章■夢を抱き、今を生きる
やっと触れた懐かしい母のほお/あのとき「行くな」と言えていたら/神様がちょっとだけ時間をくれた/押し寄せる真っ黒な波の幕/ブルーシートの下から手が伸びて来る/聞こえてくる食器を洗う音/瀕死の母が生き返ってくれた 他4編
二章■小さな魂たち
私たちを忘れないで/琴からはみんなが見えているよ/夢も現実も妹がいつもそばに/娘の死への疑問を解く鍵に/トンネルを抜けた光の先に 他1編
三章■夢と現実の境界
「かあちゃん」と呼ぶ声が愛おしい/夢が教えてくれた新天地/泥だらけの姿で「ありがとな」/聖也、叱ってばかりでごめん/お母さんとヨシ君を助けたい 他5編
四章■夢を考える
孤立“夢”援 -なぜ震災後、亡き人と夢で邂逅するのか
レビュー(7件)
夢を通して不思議な体験をされている方が多いのですね。特に、石巻の日和幼稚園でお子さんを亡くされた方のお話が印象に残りました。夢の話だけでなく津波で亡くなった方の生きた証もしっかり記されていたこと、亡くなる直前の行動や亡くなったときの様子が意外にもご遺族に届いていたことを知ることができました。また、こうして一般人の私たちにも共有してくださったことに感謝します。涙なくしては読めませんでした。
心に響きます
遺族の方々に聞き手となり取材される形で構成されています。 以前Eテレで放送された「亡くなった方からの夢からのメッセージ」と言う内容の番組を観ていて心に響いていました。 こちらの本は震災10年目のツイッターで知りましたが、その時の遺族の方々も掲載されていて、また出会えて良かったと感謝しています。