本書は、あたかもレトリックの代表のようにしばしば取り上げられながらも、あくまでも隠喩の添え物のような扱いしかされてこなかった直喩について、あらためてその正当な位置付けをするために、従来の直喩論に関する批判的な検討と、直喩とみなしうる日本語の表現例に関する詳細な分析とをとおして、その独自の特徴を明らかにしようとする試みである。
著者:稲益佐知子、菊地礼、長沼英二、半沢幹一、松浦光、三田寛真
緒言
1 理論検証編
西洋修辞研究におけるsimile 三田寛真
五十嵐力『新文章講話』 明治期修辞学における直喩の再考 菊地礼
山口仲美『平安文学の文体の研究』 古典文体と直喩 稲益佐知子
中村明『比喩表現の理論と分類』 何が問われたのか? 半沢幹一
現代日本における直喩論 半沢幹一
認知言語学における直喩研究 松浦光
2 実例分析編
同一性の比喩論 比喩指標「まさに」+Nの形式をめぐって 松浦光
内田百間「阿房列車」の直喩表現 体言型喩辞と用言型喩辞 長沼英二
村上春樹「貧乏な叔母さんの話」の直喩について 比喩の「わかりやすさ」とは? 稲益佐知子
文学を「味わって」読む 「“文学少女”」シリーズの直喩 菊地礼
芭蕉句の比喩的対比 指標は何のために 半沢幹一
本編詳細目次
後記
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