仕事のカギは算数力!
論理的思考のコツを、人気教授がやさしく解説。
「平均」には3種類の意味がある?
大学教授もまちがえる「以上、以下、未満」の用法とは?
ーー物事を「考える」とは、言葉を使って論理を展開すること。
言葉を正しく知り、「算数的論理思考」で考えれば、日常のさまざまな問題は、
もっと正しく、深く、賢く解決できます。
となりの人に差をつけるスマートな頭の使い方を、人気数学教授が楽しく教えます。
〔もくじ〕
1章 数え方を知っているとこんなに差がつく!
割り算は使える AKB48グループの「2カ月で7人卒業」は多過ぎか
その平均、どの平均?
先生ご存じですか? 単位の扱いは理科と数学で大きく違う
「飲酒は20歳を過ぎてから?! 大学教授も間違える「以上・以下・未満」
正解が変わることも!? 小数の扱いには注意が必要
一貫は1個か2個か? 数に関する間違えやすい表現
同じ「貧困」でも全く違う NHK「貧困女子高校生」トラブルの本質
「分数で割るとき、なぜ分母・分子を ひっくり返して掛けるのか」という件(など)
2章 三脚とテーブルどっちが安定?
最下層のセンターの負担は100kg ! 組み体操で理解する力の和
文字と記号 筆記体知らずの思わぬ事態
相手目線のコミュニケーション力を磨く 図ナシで折り鶴の折り方を説明できるか
正方形は台形か
その部分含まれていますか? 分かりにくい「黄色い線までお下がりください」
脚が3本より4本のテーブルは「安定」しているか(など)
3章 言葉の使い方で頭の良さが分かる?
「例えば」には4つの用法がある
説得力の源 いろいろな型がある「三段論法」
「同じ」で注意したい「~に関して」
オリンピックの順位がもめる競技
正確さを増す 「ずつ」と「それぞれ」の用法
公式を規則として教える「困った教育」 (など)
4章 意外とてこずる割合の理解!
「元にする量と比べられる量」はなぜ苦手になるのか
「比べる」という発想 「%」の意味が分からないから、当然「定価×1.08」も分からない
21世紀は「1単位当たり」の視点が必要(など)
1章 教え方を知っているとこんなに差がつく!
2章 三脚とテーブルどっちが安定?
3章 言葉の使い方で頭の良さが分かる?
4章 意外とてこずる割合の理解!
レビュー(4件)
勉強になりました。
娘にも読まそうと思いました。やはり数学、算数は大切です。
言葉の定義と規則の運用を疎かにしない
著者は、桜美林大学リベラルアーツ学群教授で理学博士の芳沢光雄さん。 本書は、「数学ができる人は頭が良い」という決めつけているわけではない。仕事をする上で、言葉の定義を大切にし、規則を守ろうという、ごく当たり前の話を、数学サイドから述べている。新書にしては珍しい横書きだが、難しい公式や証明問題が出てくるわけではない。 冒頭で「およそ数学を得意とする方々は、言葉の定義や意味を人一倍大切にします」(3ページ)と書かれているが、およそ仕事の文書というのは論理性が要求されるから、必要な用語の定義は必ず記載されるものである。 文系の文書とされている契約書も然りである。法律条文にしても、第1条に目的が書かれており、その直後に用語の定義が記載されるものである。 言葉の定義が大切という点で、14ページでは「平均」が複数あることを紹介している。相加平均、相乗平均、調和平均、と様々な平均があることを思い出そう。三段論法にも、「定言三段論法」「仮言三段論法」「選言三段論法」の3つがある(132ページ)。 缶ビールに「飲酒は20歳を過ぎてから」と書いてあるが、字義通り解釈すると「21歳以上」となる。そこで、芳沢さんは「飲酒は20歳になってから」に直すべきと提案する。 これらは屁理屈ではない。用語の定義通り運用しないと、相手に意図が伝わらない恐れがある。 芳沢さんは、物事を多角的に見ることが大切だと説く。単に数式を提示するのではなく、「図形的なものは縮図や拡大図、統計的なものは棒、折れ線、円、帯の各グラフ、数えることは樹形図、そして集合的なものは本項で扱ったベン図を用いるとよい」(58ページ)とアドバイスする。ちなみに、関数のグラフを考案したのはデカルトだそうだ。 言葉の定義とともに、数学では公理や定理が大切だ。芳沢さんによれば、これらの規則は「無用なトラブルや混乱を回避するため」(145ページ)に設けたと捉えておくべきという。そして「数学では、規則(公理)が許すギリギリのところで面白い結果を得ることがよくあります。これは、ビジネスの世界でも同じではないかと思います」(149ページ)と語る。 ネットでは、野党の「ブーメラン」やマスコミの「偏向報道」で炎上することが多くなっているが、これらは概ね、言葉の定義と規則の運用を無視した結果である。仕事で同じ失敗をしないよう、他山の石としたいものである。