『土佐日記』や『和泉式部日記』についての文学史の常識を覆す論考や、『うつほ物語』『源氏物語』『夜の寝覚』が音楽伝承譚という視点から一つの水脈を形成していることを解き明かすなど、作品の構想研究が文学史たりうることをあざやかに展開。文学史に溺れた読みから解放し、作品を再布置する論文集。
序
さすらう官人たちの系譜ー屈原・業平・貫之ー
古今和歌集撰者紀貫之かなぶみを拓くー左注「ある人」登庸ー
『和泉式部日記』成立の背景
『住吉物語』の祖型
「楼の上」巻名試論ー『うつほ物語』の音楽ー
そりはしのかなた
女一の宮の降嫁ー『うつほ物語』求婚譚の栄華の方法と論理ー
『夜の寝覚』の予言と構想ー天人予言の達成ー
音楽伝承譚の系譜ー『源氏物語』明石一族から『夜の寝覚』へー
衰微する帝威ー『夜の寝覚』の権力構造と結末ー
えせ兄妹攷ー浜松中納言と吉野の姫君の恋物語と構想ー
芥川の「王朝」-『六の宮の姫君』『羅生門』の断片からー
毀れた物語のためにー電子化時代の『在明の別』本文再建ー
あとがき/初出一覧/索引
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