【輸入盤】詩篇集 オランダ室内合唱団(3CD)
: スウェーリンク、ヤン・ピーテルスゾーン(1562-1621)
プロテスタントの宗教的ポリフォニーの偉大な記念碑!
スウェーリンク:詩篇歌集(3CD)
オランダ室内合唱団、ピーター・フィリップス、トン・コープマン、ウィリアム・クリスティ、ヤン・ブーケ、フィリップ・ヘレヴェッヘ、パウル・ファン・ネーフェル
スウェーリンクは器楽にも声楽にも強く、1604年から1621年の間に出版された4声から8声のポリフォニーによる詩篇歌は、プロテスタントの宗教的ポリフォニーの偉大な記念碑とも言われています。
この3枚組CDセレクションは、オランダ室内合唱団が6人の有名指揮者とセッションを組んでデジタル録音した詩篇歌と宗教歌を集めたもので、どれも見事な仕上がり。
1980年代後半の名録音の復活
アムステルダムとハールレムの教会でレコーディングされたこれらの演奏は、合唱の水準の高さと録音の良さにより、NM Classicsがリリースした当初から高い評価を受けていましたが、長く入手困難だったので、今回のライセンス発売での復活は歓迎されるところです。
ブックレット
オランダの音楽学者フリッツ・ノスケとルドルフ・ラッシュによるスウェーリンクと作品の解説(英語・24ページ)などが掲載されています。
▶ Brilliant Classicsを検索 作品&周辺情報スウェーリンクの詩篇歌
◆カルヴァンによる素朴な無伴奏のジュネーヴ詩篇歌集を基にして、見事な対位法の宗教音楽に仕上げたもので、適宜器楽を加えたりもして飽かせず聴かせます。力強いヴェネツィア風のポリフォニー、優雅で流麗なポリフォニー、そしてときには素朴な讃美歌そのままのシンプルな表現も織り込みながら自在な世界をつくりあげていきます。たとえば詩篇42「涸れた谷に鹿が水を求めるように」(CD2トラック2)など、ヴェネツィアのカトリック作品のように立体的な展開も見せるなど実に手の込んだ音楽になっています。
スウェーリンクの立場
◆スウェーリンクは、父も祖父もカトリック聖職者兼音楽家という家庭に生まれ、プロテスタント化の進むオランダで成長。
◆カトリック教会でオルガン奏者として働き始めた翌年には職場の教会がプロテスタント化(おそらく想定済みだったでしょう)。カルヴァン派となったアムステルダム市参事会に雇用される立場となり、以後40年以上もカルヴァン派プロテスタント教会で、市の音楽家として働いています。
当時の社会状況
◆当時のオランダではカトリックへの迫害が進み、聖職者が殺されることもありましたが、州によってはプロテスタント同士でも宗派が違えば争っています。しかし、生活が豊かだったアムステルダムでは、プロテスタント各宗派だけでなく、カトリックにも比較的寛容という方針で一貫していました。
自由度の高いカルヴァン派教会での活動
◆アムステルダムの場合、カトリック聖職者家系出身のスウェーリンクもそのままカルヴァン派プロテスタント教会で、音楽家として働くことができ、会衆礼拝用の素朴なカルヴァンの詩篇歌を、会衆礼拝用ではないプロフェッショナルな音楽に仕上げ、出版することも可能でした。ちなみにバッハのケーテン時代もカルヴァン派のおかげで自由だったようですが、ルター派の教会音楽家として育ったバッハは結局ルター派教会の仕事を選んでいます。
当時の風刺画
◆下の2枚の画像は当時のオランダの宗教的混乱を描いた風刺画からの切り取りです。上の絵には、各宗派(カルヴァン、教皇、ルター、シモンス)が寄り合えば揉め事になる様子、下の絵には各宗派と信徒の混乱が描かれています。
作曲家情報 項目別スウェーリンクに関する時系列情報は非常に少ないので、項目別に情報をまとめておきます。 家族
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