大阪では三郷と称していた時代から、中心地の周縁部にさまざまな被差別民が居住し、警察業務や皮革業、墓所の管理、葬送などをになっていた。大正期に第二次市域編入が行われると、人口も東京をしのいで名実ともに大都市“大大阪”が姿をあらわす。都市機能が充実し、人びとの生活に繁栄・発展・享楽がもたらされる反面、大都市行政の運営をになうようにして被差別共同体の近接に墓所、火葬場、塵芥処理施設、屠場、避病院、監獄など公共性をもちながらも、賤視される施設が組み込まれていく。
これまで語られてこなかった近世の被差別民の役割と近代における都市機能の関係をたどるもうひとつの大阪歴史案内。『かくれスポット大阪』(2013年)、『続かくれスポット大阪』(2015年)をリニューアルした決定版。
序論 都市大阪のなかの被差別民
エリア編
1 道頓堀・千日前ーー ハレとケガレの空間
2 日本橋・下寺ーー 街道とスラムの様相
3 天王寺・新世界ーー 博覧会と遊興地の風景
4 渡辺・西浜ーー 皮革と太鼓の文化
5 太子・萩之茶屋ーー 釜ヶ崎と日雇い労働者のまち
6 山王・飛田ーー 龍神と遊廓の舞台
7 天満・長柄ーー 紡績とセツルメントの拠点
8 本庄・北野ーー 医療と福祉の原点
9 中津・下三番ーー 新淀川と移転の足跡
トピックス編
近代社会の周縁1 四カ所・七墓
近代社会の周縁2 食肉・屠場
近代社会の周縁3 職業・労働紹介
補論 “大大阪〞と被差別民
1 インナーシティから“大大阪〞へ
2 ディープ・サウスー 釜ヶ崎と西浜・西成
3 アトラクティブ・ノースー 本庄・長柄と舟場
4 近代大阪と被差別民
参考文献
あとがき
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