激動の時代、日本人が満州に託した新興国家建設という夢。汚れ役の甘粕とエリート官僚の岸は、脆弱な国家経済を磐石にするためにいったい何をしたのか? 国際社会の欲望うずまく大地で運命的に交錯した二人の男の人生を丹念にたどり、知られざるもう一つの昭和史を描き出す、渾身のノンフィクション。
鬼憲兵と昭和の妖怪ーー二つの人生は満州で交錯した。
激動の時代、日本人が満州に託した新興国家建設という夢。汚れ役の甘粕とエリート官僚の岸は、脆弱な国家経済を磐石にするためにいったい何をしたのか? 国際社会の欲望うずまく大地で運命的に交錯した二人の男の人生を丹念にたどり、知られざるもう一つの昭和史を描き出す、渾身のノンフィクション。
まえがき
(一) 出会い
(二) 果てしなき曠野
(三) 嗚呼、玉杯に花受けて──旧制高校の青春賦
(四) 甘粕正彦の生い立ち
(五) パリの空の下セーヌは流れる
(六) 未曾有の天地異変
(七) 大杉事件
(八) 獄中の甘粕
(九) 甘粕はやっていたか
(十) 甘粕出獄
(十一) 旅立ち
(十二) 風雲急を告げる満州へ
(十三) 大地を渡る風の中
(十四) 満州事変勃発
(十五) 建国前夜
(十六) 溥儀の来満と満州国建国
(十七) リットン調査団を爆殺せよ
(十八) 満州国建国のあと──岸信介を待つ満州
(十九) 上海の甘粕──アカシヤの大連
(二十) 泥沼の日中戦争
(二十一)謀略という名の哀しきロマンティシズム──曠野に咲き誇るケシの花
(二十二)東条を巡る岸と甘粕
(二十三)協和会のころ
(二十四)遣欧使節団副団長
(二十五)満映理事長のころ
(二十六)帰って行くツバメ
(二十七)太平洋戦争
(二十八)終戦近し
(二十九)エピローグ
あとがき
参考文献
レビュー(7件)
日本の大間違いを進めた人たちです
身内が終戦間際、満露国境で行方不明になりました。 戦死広報では、ソ連内の病院で死亡したことになっています。 しかし、兄弟の方は信じていません。 不条理の中で、死んだ人が大勢います。 その原因の大きな要素は、この人たちの頭の中にあります。
大杉栄事件で日本軍部の罪状をたった一人で被り、 後に満州の闇の世界を仕切った甘粕正彦。 謎も多く、危険な臭いもプンプンするが、その生き様は美しくも格好良く魅力的だ。