「ヨコエビ」というマイナーな生物は、じつは面白い秘密に満ちあふれている。名前に「エビ」と付いているものの、エビとは全く別種で、生物としてはむしろダンゴムシやフナムシなどに近い。また生態系では、両生類や昆虫のほか、タイやサケなどの魚介類の主要な餌として重要な役割を担っている。自然界だけでなく、私たちの食卓もヨコエビに支えられているのだ。そして、マリアナ海溝のような深海から標高5,000メートルをこえるヒマラヤの氷河湖まで、地球上のあらゆる場所にたくさんの種類がすんでいる。なぜ、これほどまでに繁栄しているのか? 本書ではヨコエビに関する数々の秘密を探ることで、その理由に迫っていく。
身近なところでも海岸や湧き水など、ヨコエビはさまざまな環境に生息しており、面白い行動も観察できるため、自由研究や探究的な学習材料としても優れている。巻末には、中学校や高等学校での課題研究やクラブ活動などに役立つヨコエビの調べ方についても収録した。
はじめに
第1章 ヨコエビはなぜ「横」になるのか
1ヨコエビの正体
2ヨコエビはなぜ「横」になるのか
コラム「節足動物の親戚は?」
コラム「スローな天敵プラナリア」
第2章 ヨコエビの暮らし
1脚の先からシルクを出す!?
2ヨコエビが食べるもの
3他者との暮らし
4ヨコエビの子育て
コラム「ワサビの食害」
コラム「サケの「サーモンピンク』はヨコエビ由来
第3章 巨大化するヨコエビの謎
1南極の巨大ヨコエビ
2バイカル湖にすむ巨大ヨコエビ
3深海に巨大ヨコエビが潜む
4チチカカ湖の小さなヨコエビの大きな多様性
コラム「皇帝の温泉にすむヨコエビ」
第4章 ヨコエビを調べてみよう
1ヨコエビがみられる場所
2採集と飼育
3標本のつくり方
4種類を調べる
コラム「ヨコエビのエイリアン -外来種フロリダマミズヨコエビー」
用語解説
引用文献
おわりに
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