【POD】戦略ポイエーシス2020 plus(対話編)
本書ご紹介に替えて、あるいは、アプリオリなX組織化における共感の重要性が謳われて久しい。環境変化に関する組織内の多様な受け止め(つまり「多義性」)を一定の意味の元に縮減して総意を得るにしても、あるいは、組織化初期の集団形成の動力学として「一つの手段でまとまる」という行動面の卓見がありそれを「部分的包含」と名付けて結果として心理上の最大公約数的状況が作り出せるにしても、それらは何かしらの「共感」という心の動きに依る・・・そういう考え方には一理ある。これらはセンスメーキング理論と呼ばれる。しかも、そのようにして組織の概形が形づくられると、次には「目的の共有」、さらには一定の目的の元での「役割分担」へと続く。組織の中に幾つかのチームができるわけだ。これは当初の「部分的包含」とは明らかに違っていて、個性の躍動を許す。そこで創発されるアイデアが組織全体を進化させることもある。個性の躍動を許すがチームの解体は免れる。それはそこに「信頼関係」が生まれているからだ。この「信頼」の絆を生み保つことにおいても「共感」が働いているのだろう。しかし、ここで組織化の「糊」の役目を果たす「共感」なるものは、一つの雰囲気作りに貢献しているのだとしても、行動心理的な原理として、その機能性の起源が明らかにされてるわけではない。そういうもののようだと言っているだけだ。効用は明らからしいが、起源は分からない。ゆえに、この「共感」なるものの未来、あるいは可能性は、ぼんやり霞んでいる。一方、個人の独創性(a-ha!、ヒラメキ、悟りなど)は、上記の「共感」とは対極と見られている。しかしながら、先に組織内チームで起こる「個性の躍動」がアイデアを生むとき、「共感」の働きを通じて独創性がチームに受け入れられるとするならば、「a-ha!の起源そのもの」にも、もしかしたら「共感」に似た仕組みが先見的に働いている可能性があるとみることはできないだろうか。つまり「共感に似たもの」が見てるのが他者であれば一般に言われる「共感」であり・・・「それ」が環境/自然/世界を見ているとき、「a-ha!が生まれる」とするならば・・・。つまり、「世界との<共感/共振>」が「独創性の起こり」だとしたらどうか、ということだ。相手が他者であろうが、自然一般であろうが、「自己」に相互嵌入してくるものを受け入れる仕組みとして「共感的な何か」が働いているとするなら、「自己の内」に何らかの構造があって、時に、共感を生み、独創をも生み出す。それを仮に「アプリオリなX」と呼んでみようか・・・そして、未だ見ぬ新たな組織化において、このアプリオリなXが、どのような新局面を拓いてくれるかに注視していきたい。 そのような思いの足跡を本書(対話編)に編み込んでみました。
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