【POD】フェロセン部位を有するピリジルアミン誘導体に関する研究
筆者が大学院修士課程を修了した2006年に執筆した修士論文「フェロセン部位を有するピリジルアミン誘導体に関する研究」、ならびに付録として2つのミニレビューである「バイオ燃料電池(Biofuel cell)とは何か」(2005年執筆)、および「外場応答挙動を示す金属錯体の機能制御」(2004年執筆)を収録しました。 筆者は中等教育(化学分野)に携わっており、将来、理系の進路を考えている中高生のみなさんにとって将来の進路を考える一助になれば、そして修士論文になじみのない一般の読者のみなさまにも何かしら示唆を与えることがあれば、と念願しています。 2013年4月1日以降、博士論文はオープンアクセスで公開することが学位規則改正により定められました。また、近年はオープンアクセスジャーナルに掲載される論文数も伸びています。こうしてわたしたち一般読者が学術論文を目にする機会が増え続ける一方で、修士論文を目にする機会は少ないと思われます。筆者が大学院在籍中に執筆した修士論文および2本のミニレビューは、ほぼ誰の目にも触れることなく眠ってきました。将来理系に進み、研究室に配属され、研究生活を経験するかもしれない生徒のみなさんは、実際の修士論文とはどのようなものなのか、知ろうにもほとんど参考となる資料がないと思います。そのため、今回、あえて恥をさらす覚悟で、自らの修士論文、そして修士課程で執筆した2つのミニレビューを出版することとしました。 本論文の研究対象は化学分野における有機金属錯体の合成についてです。まずフェロセン部位を有するピリジルアミン誘導体の合成について述べました。次に、これら化合物やそれらのルテニウム錯体について、酸化還元特性やX線結晶構造解析の結果、考察を記述しました。なお、これらの研究内容の一部は、修士論文執筆後、雑誌にて論文として公表されています(下記(1)-(3))。なお、論文のあとに、2つの研究分野を総説したミニレビューを付録として掲載しました。内容は、生物燃料電池に関するものと、金属錯体の外場応答制御に関するものです。 本修士論文執筆に際して、非常に未熟であった筆者の指導にあたられた小島隆彦先生をはじめとする多くのみなさま方に、深く深く感謝いたしたいと思います。[参考](1) T. Kojima, D. Noguchi, T. Nakayama, Y. Inagaki, Y. Shiota, K. Yoshizawa, K. Ohkubo, S. Fukuzumi, Inorg. Chem., 2008, 47, 886-895;(2) T. Kojima, Bull. Jpn. Soc. Coord. Chem., 2008, 52, 3-16;(3) S. Miyazaki, T Kojima, Current Trends in X-Ray Crystallography, 2011, 239-254.
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