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なぜ世界は突如として物価高の波に飲み込まれたのか? ウクライナの戦争はその原因ではないことは、データがはっきりと示している。 では真犯人は……? 元日銀マンの物価理論トップランナー、異例のヒット『物価とは何か』の著者が、問題の核心を徹底考察する緊急出版! なぜ急にインフレがはじまったのか? だれも予想できなかったのか? ーー経済学者も中央銀行も読み間違えた! ウクライナ戦争は原因ではない? ーーデータが語る「意外な事実」 米欧のインフレ対策は成功する? ーー物価制御「伝家の宝刀」が無効になった! 慢性デフレの日本はどうなる? ーー「2つの病」に苦しむ日本には、特別な処方箋が必要だ! 本書の「謎解き」は、世界経済が大きく動くダイナミズムを描くのみならず、 日本がきわめて重大な岐路に立たされていることをも明らかにし、私たちに大きな問いかけを突きつけるーー 前著よりさらにわかりやすくなった、第一人者による待望の最新論考! 【本書の内容】 第1章 なぜ世界はインフレになったのかーー大きな誤解と2つの謎 世界インフレの逆襲/インフレの原因は戦争ではない/真犯人はパンデミック?/より大きな、深刻な謎/変化しつつある経済のメカニズム 第2章 ウイルスはいかにして世界経済と経済学者を翻弄したか 人災と天災/何が経済被害を生み出すのかーー経済学者が読み違えたもの/情報と恐怖ーー世界に伝播したもの/そしてインフレがやってきた 第3章 「後遺症」としての世界インフレ 世界は変わりつつある/中央銀行はいかにしてインフレを制御できるようになったか/見落とされていたファクター/「サービス経済化」トレンドの反転ーー消費者の行動変容/もう職場へは戻らないーー労働者の行動変容/脱グローバル化ーー企業の行動変容/「3つの後遺症」がもたらす「新たな価格体系」への移行 第4章 日本だけが苦しむ「2つの病」--デフレという慢性病と急性インフレ 取り残された日本/デフレという「慢性病」/なぜデフレは日本に根づいてしまったのか/変化の兆しと2つのシナリオ/コラム:「安いニッポン」現象 第5章 世界はインフレとどう闘うのか 米欧の中央銀行が直面する矛盾と限界/賃金・物価スパイラルへの懸念と「賃金凍結」/日本版賃金・物価スパイラル 参考文献 図表出典一覧
レビュー(90件)
リアルタイム感
最初に買って読んだときはリアルタイム感があって興味深かった。いま改めて読み返して、腑に落ちる部分と、そうでない部分が混在しているが、おおむね労働環境が世界的に変わりつつあるのではないかという大きな流れに関する本書の観点に同意する。
読み応え十分
「世界インフレの謎」という題名ですが、謎に終わらず、きちんとした丁寧な説明で分かりやすいです。学者さんが普通の人々のために、理解しやすいよう一生懸命書いていただいたものだと思います。かつてのインフレと現代のインフレの違いや、金融政策がなぜ効果を生まないのか等々、疑問に思っていたことが解決しました。このような充実した内容で1000円以内とは、本当に価値ある一冊だと思います。