本書はタロットカード研究の大家として知られる著者が長年の思考実験を経て生み出された、松村流タロットカードの完全解説書です。
本書では、アレハンドロ・ホドロフスキーの『タロットの宇宙』と著者の試論と哲学を比較しつつ、タロットカード1枚1枚を丁寧に掘り下げていきます。
第1章では大アルカナ22枚、第2章では小アルカナ56枚の各カードに描かれた象意や思想背景を、エニアグラム、チャクラ、神秘思想主義、禅の十牛図、グルジェフ、生命の樹、七進法・九進法・十進法、西洋占星術のサビアンシンボルといった多様な視点から紐解いていきます。1枚が1冊に相当するボリュームです。
また、本書では巻頭口絵として、著者オリジナルのタロットカード(大アルカナ22枚)を掲載。これはカモワン版タロットを著者流に解釈して描いたものですが、カモワン版タロットが手元になくてもこのカードイラストを眺めつつ本書を読めば理解促進となることでしょう。
また、補遺として本書執筆の契機となった、ホドロフスキーおよび『タロットの宇宙』についても論評を加えており、これも本書の見所の一ついえます。
本書は著者のメッセージ性豊かな内容となっており、タロットカードをさらに深く学び、人生の指針とする最適な1冊となっております。
著者は「はじめに」で以下のように記しています。
「実は私の夢や体外離脱、ビジョン体験、変性意識において見たり聞いたりするものはすべてタロット宇宙の中にあるもので、私はここから一歩も出ていないのではないかということだ。(中略)そもそもタロットカードはいわば手引書や教科書、経典、トリセツ(取扱説明書)のようなもので、(中略)つまり、タロットカードをある種の神秘主義的な古典書物とみなすと、わりに納得できるものがある。」
また、「おわりに」では以下の言葉で締めくくっています。
「私は真にタロットカード体系は有益で、優れたものだと考える。(中略)今回のこのタロットの本は、理解されるのにもっと時間がかかるかもしれない。(中略)私は今回の本で誠意を尽くした。これを元にして、さまざまな星系に回帰してほしいと思う。それは本来の「人間」に回帰することなのだ。」
著者40年以上にわたるタロットカードの研究の果てに行き着いた本書、ぜひお読みください。
レビュー(2件)
本来のマルセイユタロットの解釈とは別の角度からの、たしかアルシオン(プレアデス系)の知的意識体からの示唆により書かれた解釈で、9進法のとらえ方です。数字のロゴスが骨格で、タロットの絵柄はミュトス、神話的で肉の部分みたいなアプローチだったと思います。 ベースはロゴスなので、現実の物質現象に当てはめて、リーディングしたり、占ったりという次元の話ではないです。哲学とか解釈の話です。 松村氏の 占星術、グルジェフ、シュタイナー、プラトン立体、メルキゼデク、ドロレスキャノンの話なども盛り込んでの展開だったと思います。 松村氏の独自の視点、独自の解釈ですが、とても理解に役立ちましたし、いろんな次元、視点、角度からタロットを眺めてみる、幅を広げる、そういう目的で読まれる方には有益な情報だと思います。 ウスペンスキーの「奇蹟を求めて」を例に挙げて、情報はたくさんの人に知られすぎたら劣化するとも書かれています。たくさんの人に売れることを想定した本ではないが、出版社、編集者さんに出してくれたことに感謝。今までの著書やブログなど松村氏の言っていることの流れがわかっている人は大丈夫だと思います。重複する部分もあります。 なお、タロットの絵を自分絵かいてみるのも、パイプが太くなるとも書かれています。 そもそもこの本に書かれているのが、松村氏の手書きのカモワン風タロットです。ちょっとリサ・ロイヤルのギャラクティック・カードみたいで人物の顔がどことなく宇宙人ぽいです(笑)