母の看病のため、学生らしい時を過ごせてこなかった慶子さんは、高校三年生を目前とした春の朝、ケーキのような甘い匂いに誘われ和菓子屋「寿々喜」に辿り着く。
店員の青年に招かれ店内に入ると、出されたのは小さな“どら焼き”。そう、あの香りの正体はケーキではなく“和菓子”だったのだ。
和菓子の魅力に惹かれ、お店に通い始める慶子さん。だが、進級後の新しいクラスで、慶子さんの隣の席になったのは、なんとあの和菓子屋の店員さんで……!?
四季折々の和菓子と、ほんのり甘くじんわり優しい恋物語をどうぞ。
目次
序章 はじまりは、仙寿
四月 ときめきの春霞
五月 謎解きの柏餅
六月 嘉祥菓子は賑やかに
七月 天の川に思いを込めて
八月 夜舟は密やかに
九月 恥ずかしがり屋の着綿
十月 南下する紅葉、色づく心
十一月 しんぼうの木練柿
十二月 手のひらの上の山茶花
一月 春隣、恋隣
二月 それは、メジロか鶯か
三月 ふたたびの、仙寿
終章 わたしと隣の和菓子さま
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Web小説が10年を経て文庫化!
Web小説が10年を経て文庫化!読書を始めた今出会えて良かったと心から思う。 ある日、図書館の帰り道にきまぐれにいつもとは違う道を歩いてみることに。主人公の女子高生の慶子さんはケーキのような甘い香りに導かれ和菓子屋へ。男性店員にドキドキしながらも説明を受け商品前の和菓子をご馳走になる。高校三年生の春、和菓子屋で知り合った店員は同じクラスになった同級生で席が隣になったことを知り…和菓子と巡る青春と恋の一年が丁寧に描かれています。坂木司さんの和菓子のアンが好きな方ならこちらの作品も大好きになるはず!