昭和の政治家として「角福戦争」の呼び名でしか印象に残っていない総理・福田赳夫。福田は日本の政治家として、総理としてそれ程強い印象を残していない。だが、総理引退後、彼は世界の将来を見越して通称
「OBサミット」を立ち上げる。それも思想としては真逆と言っても良い西ドイツの首相を務めたヘルムート・シュミットとともに。本来なら思想的には相いれない二人だったが、環境問題から戦争、核問題、貧困などあらゆる分野で自国の利益を超越した考えで一点において強い絆を結んだ二人が立ち上がり、進めた国際的な政策提案組織だ。その後、多くの元首相や大統領クラスの参加を実現させ、まさに現在問題になっている諸問題に対して提言し続けた。通訳として、事務局スタッフとしてOBサミットをつぶさに見てきた著者が、福田赳夫とヘルムート・シュミットを中心に、決して表舞台に華々しく取り上げられることのなかった政策提言組織の裏側を語った一冊。日本の、国際政治の歴史の一端が垣間見れる貴重な書籍です。
はじめに
第一章 挑戦〜福田赳夫、起つ
第二章 勃興〜米ソ核軍縮への影響力を行使する
第三章 尽力〜世界の宗教と政治の対話を実現
第四章 地球〜「国家主権」を地球的視点から再定義
第五章 凛然〜中国は軍事大国にならないで欲しい
第六章 心魂〜病身をおして東京総会で最期の獅子吼
第七章 責任〜「人間の責任に関する世界宣言」
第八章 叡智〜再び開催された宗教家と政治家の対談
終章 永遠〜最後の「普遍的な倫理への勧告」
解説・瀧澤 中
レビュー(0件)