著者は債権国と債務国の争いや欧州中央銀行と各国銀行の役割、格差の拡大などといったユーロ地域が抱える問題を、要人の発言や世論を引用しながらその真相を明らかにしている。また、アメリカや、IMFとの関わり、ユーロ地域の混乱が与える影響、アジアとの関係など、グローバルな視点からも考察を行っており、本書の最終章で現状を打開するための諸政策を提案している。翻訳版では、日本語版序文として「日本と欧州の類似点」を新たに追加。現在のユーロ圏の状態が1990年代半ばの日本とよく似ていることから、今後ユーロ圏が「失われた20年」と同じ道を辿る可能性を指摘し、さらにアベノミクスがユーロ地域に与える影響も考慮に入れて、混迷を深めるユーロ地域の今後を検討している。
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