劇場をとおして浮かびあがる中立国・スイスの姿
ナチス時代のドイツ語圏で、亡命演劇人を起用しつつ焚書にされた作品の上演を続けたスイスのチューリヒ劇場。民主主義の象徴として伝説化されたチューリヒ劇場における作品上演のプロセスを社会・文化的視点で分析し、その実態に迫る。
序論 チューリヒ劇場と社会・文化的文脈(葉柳和則)
第1部 リーザー時代(戦間期)
概観 国民統合を推進するスイスの文化政策と亡命者たち(葉柳和則)
第1章 焚書に抗してー亡命演劇人と時事劇『人種』、『マムロック教授』(市川明)
第2章 チューリヒ劇場の実態ーリーザーの登場と退陣(市川明)
第2部 ヴェルターリン時代 1(戦争前夜から終戦まで)
概 観 「別様のドイツ」における古典と現代劇の寓意的上演(葉柳和則)
第3章 「アルカディア」というプロジェクションー『テル』の変奏(中村靖子)
第4章 方法としての寓意劇ー『肝っ玉おっ母とその子どもたち』と『ガリレイの生涯』の世界初演(市川明)
第5章 レジスタンス演劇のポリティクスー『月は沈みぬ』チューリヒ初演(葉柳和則)
第3部 ヴェルターリン時代 2(終戦からドイツ分断まで)
概観 「ナチズムとスイス」というまなざしとその演劇的表象(葉柳和則)
第6章 メーリケを愛する殺戮者ー『ほら、また歌っている』における批判の理路(中村靖子)
第7章 亡命演劇から戦後演劇へー『アンティゴネ・モデル 1948』(ヴェルナー・ヴュートリヒ、翻訳:井上美里)
第8章 「偶像」の行く末ー『聖書に曰く』の生成と受容(増本浩子)
展望 チューリヒ劇場の伝統と発展(市川明)
文献一覧
上演記録
索引
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