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「なぜあの時あれを見逃してしまったのか」「なぜこんなものを買ってしまったのか」「どうしてあんな簡単な問題が解けなかったのか」---誰しもが日常的に経験しているであろう、なぜか誤って認識したり、いつもならするはずのない判断や行動。それはなぜ起こるのか。このようなふつうの行動に現れる心の働きの偏り、歪みのようなものである「認知バイアス」について、わかりやすい事例を挙げて解説します。 認知バイアスという言葉は、一般的にも時々使われるようになってきて、なんだかよくわからないけど間違ってしまった、おかしなことをしてしまった、というときに認知バイアスという言葉で片付けようとする安易な解決も見られがちですが、著者は、「知」を身体、社会、感情、環境なども取り込んでトータルな人間の理解を深めようとする認知科学に基づき、理論的に分析しています。また、なぜ誤るのか、そして誤ることには意義があるのか、それは何なのかを解き明かします。 認知メカニズムは、ある状況では賢い判断をするように働き、ある状況では愚かな判断を生み出す。つまり人間は賢いようで愚かで、愚かなようで賢いものであるということがわかる1冊。 第1章 注意と記憶のバイアス:チェンジ・ブラインドネスと虚偽の記憶 第2章 リスク認知に潜むバイアス:利用可能性ヒューリスティック 第3章 概念に潜むバイアス:代表性ヒューリスティック 第4章 思考に潜むバイアス:確証バイアス 第5章 自己決定というバイアス 第6章 言語がもたらすバイアス 第7章 創造(について)のバイアス 第8章 共同に関わるバイアス 第9章「認知バイアス」というバイアス 第1章 注意と記憶のバイアス 第2章 リスク認知に潜むバイアス 第3章 概念に潜むバイアス 第4章 思考に潜むバイアス 第5章 自己決定というバイアス 第6章 言語がもたらすバイアス 第7章 創造(について)のバイアス 第8章 共同に関わるバイアス 第9章「認知バイアス」というバイアス
レビュー(68件)
この種の心理学って、われわれはともすれば不合理な判断や選択行動に陥りがちな存在であることを明らかにすることにより、人間を理性的・自律的な存在として規定したり、そうした人間像を前提とした社会像を構築したりすることの愚かさをあげつらうような趣があって、なんか嫌だなあとこれまでは思っていた。ところが、本書では、認知バイアスの存在を理由として人間は愚かな存在であると断定することが、それ自体認知バイアスであると最終章で主張されている。さまざまな認知バイアスを紹介するだけではない、この最終章をもって白眉となすべき。
認知バイアスの良い入門書
ヒトの認知バイアスについて,多くの例を用いてコンパクトにまとめられている。 自分の考えは正しいと素朴に思っている多くの人にとって,ヒトの脳は進化の産物で素晴らしいけれど,いつも正しい認識や判断をするとは限らないことを理解できる。 自分は間違うこともあると自覚しているだけでも世界は違ってくるだろう。 章末のブックガイドも次のステップの参考になる。 評価が5でないのは,単に自分が知っていることが多かったから。
丁寧な梱包と綺麗な本体に感動しました。 もし、ご縁があればまた、よろしくお願いいたします。
配送されました。ありがとうございます。楽しみにしたいとおもいます。