- 6
- 4.83
★重版決定! 学校の開校、リストラ、校内暴力、外国人教師の招聘、地方移転、ゆとり教育、英語教育、オリンピックの延期・中止問題、戦争、そして閉校。 明治〜昭和の激動の時代に海軍兵学校で起こったことは、現代に重ね焼きされるようだ。 海上自衛隊幹部候補生学校(江田島)と、海上自衛隊幹部学校(目黒)の両方の学校長を務めた著者が、歴代校長の言葉で歴史を振り返り、激動の時代のリーダー像に焦点を当てる。 目次 第1章 黎明期 〜荒れた学校から紳士の教育機関へ ●生みの苦しみ「海軍兵学寮」 ●幅広い優秀な人材を集めることを企図した入学資格 ●勝海舟に「海軍はやめた方がいい」 ●カオス状態の「荒れた学校」 ●“親分校長”の登場 ●自分と教授は昇任、生徒はリストラ ●三人の海軍大将が幻になっていたかもしれない ●ダグラス軍事顧問団による混乱と変革 ●やりすぎたダグラスの突然の帰国 ●ポスト中牟田時代の校長たち ●怒り狂う榎本海軍卿、更迭される仁礼校長、飛ばされる権兵衛 第2章 発展期 〜江田島移転と海軍教育の確立 ●江田島移転の大英断はなぜ行われたか ●「赤レンガ」がない、揺れる「東京丸」、築地に戻りたい ●海軍大学校創立と「海大の父」坂本俊篤 ●マハンを呼べ ●海大教育の功労者 島村・山屋・秋山で完成する海軍戦術 ●人気投票第一位 島村速雄の「単縦陣」 ●「他人」が作った「円戦術」 ●天才秋山が完成させた「海軍戦術」 ●時代の寵児「山本権兵衛」 ●反本省派(反権兵衛派)二人の兵学校長 ●中牟田の首を切れ ●海軍教育グランドスラム達成者 第3章 束の間の平和 〜傑出した兵学校長たち ●軍縮の時代到来 ●海のない米沢が生んだ海軍大将:山下源太郎 ●「よいことならやろう」主義 ●軍艦を売って、大講堂を建設 ●日本海軍が生んだ逸材:鈴木貫太郎 ●国際情勢と「武士道」教育 ●鉄拳制裁の禁止 ●たか…
レビュー(6件)
父の行っていた学校のことが良く判ってよかったです。
海上自衛隊の歴史を知るにはとても良い書籍です
個人的には井上成美の価値観や考え方が好きです。あらゆる意味で現代でも通用するかと思います。兵学校と言ういわゆる教育の場においてとても参考に成りました。
海軍兵学校の歴史というどちらかというと重めのテーマですが、読みやすいよう表現が工夫されており、各校長の興味深いエピソードなども随所に取り込まれ、読み物としても大変良くまとめられた本だと思います。それぞれの時代の個性的な校長が、自分の信念に基づき難局に取り組んだ様子が分かりやすく記述されておりますが、彼らの取り組みや教育に向き合う姿勢などは、人材育成の重要性が叫ばれる現代の企業や組織のリーダーにおいても有用な内容だと思います。
とても面白かったです!
全体に海軍史に詳しくない人にもわかりやすい文章で書かれていて、物語としてとても面白く読めました。それぞれの時代に個性的な校長がいて、様々な課題に取り組んでいく姿は、現代とも共通点があります。また、心を打つ言葉がたくさんありました。リーダー論としても参考になります。