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「それはあなたの主観ですか?」。こういった言葉を聞いたことがあるひとは多いだろう。なにかを発信する際、それが主観的な意見なのか、客観的な意見なのか、を明確にすることが求められる。よく作文と論文の違いを説明する際にも、作文は主観的なことを書いていいが、論文では客観的なことを書く必要がある、と言われている。そういった教育のせいか、客観的なことが正しくて、主観的なことは正しくない、もしくは、あなたが思っているだけでしょ、と非難されることが多い。では、そういった客観的なものが優勢になっていくなかで、主観的な感覚は捨てられてしまってよいものだろうか? 著者の村上氏はそうは考えない。それは、数値が優位にたって世界においては、1人ひとりが持つはずの経験のリアリティが失われがちであるからだ。統計を過信し、経験が数値に置き換えられてしまうとそこにはディテールが失われてしまうだろう。その経験のリアリティをみつけることが主観的に考えることだといえるだろう。自分の体をもち、それがなにかと出会い、出来事が体験し、それを語ることでリアリティをつかまえる手段となるのだ。
レビュー(99件)
顔の見える
目から鱗の本でした。 客観性にとらわれ過ぎてました。客観性や数値はもちろん大事、しかし大切なものを軽視し見落としていたことに気づけたことが良かった。 顔の見える経験と語りから見えてくることも大切にしなければならない。
ガッカリ
ガッカリした。 知能指数を扱った章では、発達障害などを知識のないまま記述されている。 その他もなかなか無理矢理感が否めない。
日頃の行いについて振り返させられる内容でした。
家族用に購入しました。モノの見方が新鮮で、内容に引き込まれていったそうです