人・物・情報・文化などが国境を越えて移動するグローバル化時代が謳われて久しい。その一方で、押し寄せる移民・難民を背景に、米国の自国ファースト政策や英国のBrexitなど、大国では国境を閉ざす「内向き」の力が働いている。移民・難民問題は、大国がかつての帝国主義下で行った傍若無人なふるまいに根本的な原因があるにもかかわらず、である。そして、日本がおこなった支配もまた例外ではないー。アジア太平洋地域を中心にトランスナショナルな人びとの移動の様相とそこに関わる地域の統合可能性をとらえ、国家の枠組みを越えたリージョナルな連携のあり方を模索する本書の試みは、ひいては地球規模の社会(学)の地平を切り拓くだろう。
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