読み終わった後、あーラブレスねぇーそうかもしれないねーと、思った。貧しい生活を強いられ、生きる事に必死だった、百合江さん。親を早くに亡くし、生きてきた宗太郎さん。親の愛をあまり知らずに育った、2人には、男と女の立場の違いや、生活等、普通と言う事が、解らず、お互い、だいすきだったのだと思う。子供が産まれ、自分の夢や好きな事の為に、逃げ出してしまう、宗太郎さん。後に、宗太郎さんに再会して、宗太郎さんの気持ちを理解した百合江さん。妹とは、違いながらも、大変な苦労をした、姉妹、そして、姉妹の母。女3代を描かれていて複雑な気持ちになった。百合江さんの最期に、ユッコちゃん大好きよ、が、変わらない気持ちなのだろうと思った。LOVEではないのだ。素朴で優しく、許す心が大切なのかもしれないと思った。最後、涙が溢れた。面白かった。お互いの胸に抱く溢れんばかりの愛と、愛になれなかったものたちが、混じり合いながら光のなかで舞っている様を、百合江さんと宗太郎さんには見えただろうか?,北海道の中でもとりわけ開拓の遅れた道東中標津あたりから釧路。この作者の文章は、いつも景色がまざまざと瞼に浮かんでくるような映像的な作品だ。 「極貧」と今なら思うが、あの当時はどこもドングリの背比べでみな等しく貧しかったのだと思う。 まるで一代記ドラマを見るように、読んでいるのに映像として頭の中に入ってくる。 女3代5人。主人公は百合江だが、一番書かれていない母に心が残る。 書いていないのに心を残させるのはさすが、この作者の力量だと思う。 残念なのは終盤、作者自身が息切れしたのか書き焦ったのか、老人ホームにいる高齢男性の告白を、ただセリフだけで流してしまったあたりが悔やまれる。従姉妹が温泉で語るあたりも書き急いでいる。まるで別の作家の筆のようになってしまった。 できるものなら、賛否両論のラストと共に、終盤を大幅に加筆修正していっそうの大河ドラマ風にしたものを読んでみたい。終盤の書き急ぎのためにこの大作が減点されるのはもったいないと思う。 また桜木氏の小説は6,7冊読んでどれも面白かったが、題名が今ひとつ垢抜けないというか、ただの識別記号のように淡白なのが惜しまれる。まあそれも一つの手段ではあるのだが・・・,桜木さんの著書は文庫本はほぼ全部読んでいるが、その中でもこれは名作中の名作ではないか。 幼少期の頃の荒れた周囲の生活環境に中、主人公が抜け出し力強くけなげに生きていく様は読者の心をわしずかみにし、物語に没頭させる。強さってなんだろ?幸せって何?生きる気力とは? 壮絶な生きざまに涙し、感動する。,桜木紫乃さんの作品を読んでみたかったので購入しました おもしろいです,中々手元に届かないアクシデントがあって、ようやく読むことが出来ました。時代があちこち飛ぶので休憩時間だけで読んでると少しわからなくなることもありましたが、途切れ途切れで読んでても面白かった。北海道には行ったことがないので極貧で暖房もあまりない生活は想像出来ないけれど、凄まじいものだったんでしょう。著者の作品は二冊目ですがどちらも読み応えがありました。
レビュー(139件)
ラブレス
読み終わった後、あーラブレスねぇーそうかもしれないねーと、思った。貧しい生活を強いられ、生きる事に必死だった、百合江さん。親を早くに亡くし、生きてきた宗太郎さん。親の愛をあまり知らずに育った、2人には、男と女の立場の違いや、生活等、普通と言う事が、解らず、お互い、だいすきだったのだと思う。子供が産まれ、自分の夢や好きな事の為に、逃げ出してしまう、宗太郎さん。後に、宗太郎さんに再会して、宗太郎さんの気持ちを理解した百合江さん。妹とは、違いながらも、大変な苦労をした、姉妹、そして、姉妹の母。女3代を描かれていて複雑な気持ちになった。百合江さんの最期に、ユッコちゃん大好きよ、が、変わらない気持ちなのだろうと思った。LOVEではないのだ。素朴で優しく、許す心が大切なのかもしれないと思った。最後、涙が溢れた。面白かった。お互いの胸に抱く溢れんばかりの愛と、愛になれなかったものたちが、混じり合いながら光のなかで舞っている様を、百合江さんと宗太郎さんには見えただろうか?
北海道の中でもとりわけ開拓の遅れた道東中標津あたりから釧路。この作者の文章は、いつも景色がまざまざと瞼に浮かんでくるような映像的な作品だ。 「極貧」と今なら思うが、あの当時はどこもドングリの背比べでみな等しく貧しかったのだと思う。 まるで一代記ドラマを見るように、読んでいるのに映像として頭の中に入ってくる。 女3代5人。主人公は百合江だが、一番書かれていない母に心が残る。 書いていないのに心を残させるのはさすが、この作者の力量だと思う。 残念なのは終盤、作者自身が息切れしたのか書き焦ったのか、老人ホームにいる高齢男性の告白を、ただセリフだけで流してしまったあたりが悔やまれる。従姉妹が温泉で語るあたりも書き急いでいる。まるで別の作家の筆のようになってしまった。 できるものなら、賛否両論のラストと共に、終盤を大幅に加筆修正していっそうの大河ドラマ風にしたものを読んでみたい。終盤の書き急ぎのためにこの大作が減点されるのはもったいないと思う。 また桜木氏の小説は6,7冊読んでどれも面白かったが、題名が今ひとつ垢抜けないというか、ただの識別記号のように淡白なのが惜しまれる。まあそれも一つの手段ではあるのだが・・・
名作
桜木さんの著書は文庫本はほぼ全部読んでいるが、その中でもこれは名作中の名作ではないか。 幼少期の頃の荒れた周囲の生活環境に中、主人公が抜け出し力強くけなげに生きていく様は読者の心をわしずかみにし、物語に没頭させる。強さってなんだろ?幸せって何?生きる気力とは? 壮絶な生きざまに涙し、感動する。
桜木紫乃さんの作品を読んでみたかったので購入しました おもしろいです
良かった!
中々手元に届かないアクシデントがあって、ようやく読むことが出来ました。時代があちこち飛ぶので休憩時間だけで読んでると少しわからなくなることもありましたが、途切れ途切れで読んでても面白かった。北海道には行ったことがないので極貧で暖房もあまりない生活は想像出来ないけれど、凄まじいものだったんでしょう。著者の作品は二冊目ですがどちらも読み応えがありました。