小説を読むというのはどういうことなのか、小説を書くというのはどういうことなのか。語り論・読者論・インターテクスチュアリティなどの文学理論の基礎をふまえて、実際に短篇小説を読み、またそのパロディを書くことを通して学んでいく。小説を論じたいけれども、その糸口がわからない人や、小説を書きたいけれども、自分のアイディアをどう形にしたらいいのかわからない人に向けた小説アンソロジーと解説からなる小説指南本。
はじめに
読むことをめぐる二つの立場
書くことは読むことからはじまる
独創性(オリジナリティ)の見直し
共有財産である言葉
第一章 語り手による情報のコントロールについて
江戸川乱歩◉二銭銅貨
○講義編
語り手の設定
どのようにだまされたのか
〈空所〉に注目する
読者をだますために
情報管理の重要性
○実習編
第二章 小説の起源を遡る
エドガー・アラン・ポー◉黄金虫
○講義編
「二銭銅貨」と「黄金虫」の関係
小説による小説の批評
小説を書くための入口
○実習編
第三章 〈空所〉を探しながら読む
オイレンベルク(森鷗外訳)◉女の決闘
○講義編
「女の決闘」の語り手
「女の決闘」の〈空所〉
○実習編
第四章 〈空所〉を想像で埋めて書きかえる
太宰治◉女の決闘
○講義編
書きかえることに意識的な小説家
新しい小説を生み出すきっかけ
「芸術家」という職業をテーマにした小説
○実習編
第五章 連想で言葉を広げていく
太宰治◉葉
○講義編
〈空所〉だらけの小説
読者に問いを投げかける小説
「葉」というタイトルから読み取れること
○実習編
レビュー(0件)