没後10年を経て、今なお根強いファンをもつ稀代のルポライター・朝倉喬司の作品から、芸能にまつわる論考をピックアップ。
改めて目を見張らされるのは、彼の目配りのよさと徹底的に足を使う取材スタイル。ヤクザやテキヤ、ちんどん屋といった人々に密着し、切迫感と寂寥感が滲む文章を書いたかと思えば、『バナちゃんの唄』のような幻想的・詩的な文体、河内音頭への熱い思い漲る疾走感溢れる筆致と、彼の多様な文才がこの一冊に凝縮している。
三波春夫や平岡正明、岡庭昇との芸能をめぐる座談会、松枝到、大月隆寛との鼎談、今井照容、神谷一義、紀和鏡、西世賢寿、久田将義、平井玄、林幸次郎、元木昌彦、鷲巣功(五十音順)各氏による追悼エッセイも収録。
五木寛之氏、帯で推薦!
1 バナちゃんの唄ーーバナナ売りをめぐる娼婦やヤクザたち
2 浮世と音楽
3 芸能の始原に向かって
4 われわれのスタンダード・ナンバー
5 流行(はや)り唄の誕生ーー漂泊芸能民の記憶と近代
6 芸能・任俠・差別
7 遠くちらちら灯りがゆれるーー流浪芸の彼方に転形期をみる(座談会)
8 闇と悪をめぐる対話(座談会)
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