膨らみ続ける債務は資本主義の必然なのか
債務累積構造を分析し政策的含意を導き出すことで,コロナ禍にあえぐ世界の課題に応える.脚光を浴びるMMTも俎上に載せる.
現代のグローバル経済の下で金融取引は膨張を続け,公的および私的債務が累積している.この構造を支えているものは何か.その限界はどこで,どのように露呈するのか.こうした現象は資本主義経済に必然的な事態なのか.本書ではこうした視点で債務累積問題に迫っていく.同時に,債務累積の中で脚光を浴びるMMTの検討も行う.
はじめに
第1章 現代資本主義と債務累積のグローバル化……紺井博則
--長期金融緩和と金融化資本主義の隘路ーー
はじめに
1-1 リーマンショック後の世界的債務累積の動向
1-2 債務累積の背景としての金融緩和の継続
1-3 非金融民間企業部門の債務累積の急増とその背景
1-4 金融・資本市場の肥大化が促す債務累積
1-5 金融化資本主義の脆弱性と債務累積のグローバル化
むすびにかえて
--コロナショックと債務累積の行方ーー
第2章 債務累積と現代資本主義の変容……松本 朗
--アメリカを中心とする長期統計にもとづく分析ーー
はじめに
2-1 変動相場制下の債務累積
--現代経済社会の特異性ーー
2-2 変動相場制移行後のアメリカの政府支出と債務累積
2-3 民間部門の債務累積
2-4 物価の安定、超金融緩和政策、実体経済の停滞
2-5 1980年代以降の現代資本主義はどこに変化が現れているか
2-6 MMTとミンスキー理論から捉えるべき教訓
むすびにかえて
第3章 アメリカの通貨・金融覇権に対するEUの挑戦の行方……星野 郁
はじめに
3-1 グローバル金融とEU
3-2 ヨーロッパはなぜアメリカの通貨・金融覇権に対抗できないのか
3-3 新型コロナ危機とEU統合・政策運営の新次元
3-4 EUの挑戦の行方
むすびにかえて
第4章 途上国・新興国の対外債務の構造とその脆弱性……木村秀史
はじめに
4-1 途上国・新興国の対外債務の近年の動向
4-2 対外債務蓄積のメカニズム
4-3 外貨建て対外債務の脆弱性の考察
4-4 途上国・新興国の外貨建て対外債務とマクロ経済政策
むすびにかえて
第5章 アメリカの対外純債務とドル体制の持続可能性……秋山誠一
はじめに
5-1 通貨の「減価」と過剰生産恐慌の回避
5-2 固定相場制下のドル体制
5-3 変動相場制下のドル体制
5-4 グローバリゼーションと対外債務
5-5 直接投資の要因
5-6 アメリカの貿易収支赤字と対外純債務の増大
むすびにかえて
第6章 グローバル経済下における国家と信用……吉田真広
はじめに
6-1 国家独占資本主義と現代資本主義
6-2 債務国家資本主義の構造
6-3 グローバル資本主義のおける国家と信用構造
むすびにかえて
補論
おわりに
索 引
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