「近代国家」として成立したにもかかわらず、日本はなぜ天皇制という君主制を採用したのか。また君主制にもかかわらず、君民一体という共和主義的志向性が密かに湧出されてくるのはなぜか。天皇制とデモクラシーはどう調和できるのか。無政府主義者・幸徳秋水や大正期を代表するデモクラットの吉野作造と代議制への批判者であった上杉慎吉、さらに戦後の中曽根康弘の共和主義思想までを分析しつつ、日本にとって国体とは何か、なぜそれが天皇と人民との人格どうしの法外の結びつきとして求められ続けなければならなかったのかを考察する。
序 章
第一章 明治憲法体制のなかの天皇制
-主権と臣民
第二章 無政府主義と国体
-「動物的自由」から「道徳的自由」へ
第三章 デモクラシーによる立憲主義
-国体とデモクラシー
第四章 立憲主義を支える感化空間
-個人のなかの立憲主義
第五章 君民協同のデモクラシー
-君主制を媒介とする共和主義的志向
第六章 国民協同の国家とその基底としての天皇制
-中曽根康弘の天皇論と国民主権論
終 章
レビュー(0件)