虐待と貧困の連鎖から逃れた少年私たちはまだ、彼の苦しみを何も知らない小学校に通わせてもらえず、食事もままならない生活を送る優真。母親の亜紀は子供を放置し、同棲相手の男に媚びてばかりだ。最悪な環境のなか、優真への虐待を疑い手を差し伸べるコンビニ店主が現れる。社会の分断を体現する少年の魂はどこに向かうのか。社会に蔓延するバイアスを打ち砕く圧倒的リアリズム!解説・杉山春(ルポライター) * * * * *子どもの虐待死は、社会により弱者にさせられた者による暴力の発露がもたらすものだ。弱者は暴力を振るわなければ生き延びられないところまで追い詰められている。社会と弱者はどのように出会えば良いのか。私たちの社会はまだそれを知らない。(「解説」より)
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シングルマザーの母親にネグレクトされ、壮絶な環境で育った少年の物語。母親の交際相手の男性に暴力を振るわれるうちに、彼自身が弟などに暴力を振るうようになり(DVの世代間連鎖)、また母親の交際相手の「女性の役割は男性のために料理を作り、男性に尽くすこと。なせなら女性は、男性より体も頭も弱いから。」という趣旨の言葉をうのみにして育つ。女性イコール「支配する対象」という刷り込みを受けて育った彼は、やがて他人の家の風呂場を覗くなどの逸脱行為に走るように・・・。「子どもの貧困」「児童虐待」「DV」といったテーマに興味のある方は、是非読んでみてください。