幸福な家庭と理想的世界を結び付け、夢見たレフ・トルストイ。その生涯は、幼い頃死別した母をはじめ、多くの女性たちによって彩られていた。女性たちとの体験は、『戦争と平和』『アンナ・カレーニナ』『見知らぬひと』など数々の名作にどのように反映されているのだろうか。「女性」はトルストイの博愛主義の原点といえるが、これまでトルストイの女性遍歴はタブー視されてきた。このタブーに果敢に挑み、名作の新たな解釈を試みた画期的研究。
序論
第1部 カフカス
第1章 『幼年時代』における終生のテーマーー母の愛と魂の不滅を確信するが,いかに生きるべきかはわからない……
第2章 創作開始にいたるまでの試行錯誤
第3章 初期創作の到達点と限界点
第4章 「女」と現実の不条理にぶつかる
第5章 現実そのものを変えるーー農業経営と教育活動と恋愛
第1部のまとめ
第2部 1812年と『戦争と平和』
第6章 1812年ーー祖国戦争の真実と夢
第7章 『戦争と平和』論ーー夢と夢の出会い,そして生命の誕生
第8章 「作者の逸脱」と視点の問題
第2部の結びにかえてーーヴィクトル・シクロフスキー『『戦争と平和』の素材と文体』
第3部 『アンナ・カレーニナ』
第9章 明から暗への転換の背景
第10章 後期トルストイの誕生
第11章 『見知らぬ人』はアンナ・カレーニナかーーレフ・トルストイと画家イヴァン・クラムスコイ
結論
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