【輸入盤】オルガン作品集 ピーター=ヤン・ベルダー(2CD)
ルネッサンス・オルガンによる演奏。解説も充実
ウィリアム・バード:オルガン作品集(2CD)
ピーター=ヤン・ベルダー(オルガン)
イングランド国教会成立の時代に教会や王室礼拝堂で働いていた作曲家・オルガン奏者のウィリアム・バードは、オルガニストという立場もあってカトリック信仰を捨てられず、国教忌避の罰金まで払い続けて仕事をし、さらにピューリタニズムの影響の強いリンカン大聖堂でも苦労するなど、宗教三つ巴の環境で生きていました。
バードのオルガン曲は、楽器指定が無かったりしますが、当時は教会によってオルガン運用の制限に違いがあったりで、たとえばカトリックではオルガンの役割は重要でしたが、イングランド国教は中道のためオルガンの役割には制限が加えられ、ピューリタニズムではオルガンは疎まれるという具合で、しかも教会関係者によってもさじ加減は異なりました。
この2枚組アルバムでは、オルガン的な書法や題材の作品を中心に収録してあり、中には第2オルガニストが必要な曲もあったりして、楽しませてくれます。
なお、音源は、9枚組ボックス「バード:チェンバロ&オルガン作品全集」のCD5、CD6と同じものです。
ブックレット
16ページ。テキストは英語。今回は音楽学者、チェンバロ&オルガン奏者のヨン・バクセンダーレによる充実した解説を掲載。宗教と政治の切り口からもバードの生涯に迫るほか、楽器と作品についての説明も情報が豊富で読み応え十分。演奏者のベルダーも、謝辞でバクセンダーレの解説を称えています。
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作曲者情報◆ ウィリアム・バード
【簡易年表】
1540年頃(0歳)
◆ イングランド王国(927-1707)のおそらくロンドンで、トーマス・バードとその妻マージェリーのもとに誕生。比較的裕福で、2人の兄弟はセント・ポール大聖堂の聖歌隊員になるという音楽的な家庭でもありました。肝心のバードについてははっきりしていませんが、セント・ポール大聖堂の聖歌隊員か、トーマス・タリス[1505-1585]のもとで王室礼拝堂の聖歌隊員として歌い、変声後に助手として留まって指導を受けた可能性もあると推測されています。
1563年(約23歳)
◆ ロンドンの約200km北に位置するリンカン大聖堂のオルガニスト兼合唱団長に任命。1568年(約28歳)
◆ 9月14日、リンカンで結婚。妻のジュリアナはリンカンシャーのバーリー家の出身。この結婚によって少なくとも7人の子供が生まれています。1569年(約29歳)
◆ 11月19日、学長と教区長からバードの行動に疑惑のある事が非難され、給与停止処分となります。リンカンではピューリタニズムの影響が強かったので、疑惑の内容は、バードの凝りすぎた合唱のポリフォニーやオルガン演奏に関連していたと推測されています。1569年(約29歳)
◆ 11月29日、典礼におけるバードのオルガンの使用に関して詳細な指示が出されています。1570年代初頭(30代前半)
◆ トマス・パジェット卿などカトリックの貴族などと交流。1572年(約32歳)
◆ イングランド王国最大の聖歌隊である王室礼拝堂でオルガン演奏や指揮などの仕事をする「ジェントルマン」に任命。終身雇用かつ高額の報酬が支払われるポストでした。1575年(約35歳)
◆ バードとタリスに対し、21年間の楽譜と楽譜用紙の印刷の独占権を王室が付与。1577年(約37歳)
◆ 出版事業が失敗し、エリザベス女王に資金援助を嘆願。のちに様々な土地の借地権21年間分が与えられています。1577年(約37歳)
◆ バードの妻ジュリアナが国教忌避罪で検挙。1583年(約43歳)
◆ バードの王室礼拝堂の会員資格が一時停止され、行動も制限、自宅も捜索対象リ
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