関東近郊。妙子60歳は、経理事務で勤める会社の継続雇用を受け入れるつもりだったが、会社に残ることが後輩女子たちの噂となりそのネタの提供者・同期で比較的仲の良かった合田課長、しかも彼が本社栄転で浮かれてしゃべったと思い、怒りの勢いで会社を定年退職してしまう。妙子の夫は数年前に病気で亡く、娘の真奈美は東京で結婚、一人暮らしで早速暇を持て余し始める。夫の七回忌で久しぶりに顔を合わせた真奈美からさんざん突っ込まれ、就活を始めるがハラスメントな会社ばかりで決まらない。そこへ突然、娘夫婦の養女瑠希が進路でもめたとして妙子の元に転がり込んでくる。就活と孫との生活で一変して……。定年退職後、どうやって仕事を探すの? どうやって生きがいを探すの? リアルでライトな就活サバイバル小説!
目 次
1 花村妙子、定年退職の顛末
2 たまらなく、つれづれ
3 就活
4 家具のタケオカ
5 孫、登場
6 二人暮らし
7 就活再起動
8 ポリシー
9 墓参り
10 武田さんとアイドルちゃん
11 アイドルちゃんとの縁
12 アルバイト
13 愁嘆場
14 哀愁の大団円
レビュー(14件)
50代後半の自分……65歳国民年金支給となった現在、60歳定年は過去のものとなった。でも、退職後の就活が現実のものとなった今、ふと惹かれて本書を手に取った。主人公の妙子は無鉄砲にも60歳で永年勤めた会社を退職し、再就職をするも巧くいかず、ハローワーク、資格取得などあがく様子が痛々しい。しかし、娘の養子となった少女のおかげで、妙子が変わり、やがて娘も変わっていく。定年就活ではなく、家族の在り方が印象に残る作品だった。