日本海軍では統帥権と編制権が分離して認識、運用されていたが、1930年のロンドン海軍軍縮会議以降、編制権は統帥権に包含されていく。この過程における軍政機関たる海軍省と軍令機関たる軍令部の構造の変化、両者の対立による海軍部内の人的構造の変遷、さらにこの構造の海軍の政策決定への関与を分析し、戦間期の日本海軍の特質を究明する。
序章 統帥権・編制権問題と日本海軍史研究/海軍省優位体制の動揺(海軍の組織構造と人的関係〈海軍組織の成立過程と省部関係/海軍部内の人的関係の形成/海軍部内の政策志向の思想的淵源〉以下細目略/軍部大臣武官制撤廃論議と海軍の対応ー海軍の編制権認識を中心として/財部彪海相後継問題と編制権問題ー大角岑生の動向を中心として/ジュネーブ一般軍縮会議と海軍の対応ー「海軍軍縮条約体制」脱却の萌芽/海軍組織の二元体制化と省部協調(海軍統制構造の変化と省部関係ー編制権問題を中心として/国際連盟脱退と昭和九年度海軍予算問題ー対外関係の緊張化と軍備拡張/海軍の対外戦略構想と「海軍軍縮条約体制」からの脱却/大角人事再考ーその後の海軍の視座として)/終章 省部協調という言葉が示すもの
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