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本書は、、可能な限り日常の日本語で『存在と時間』を理解することを目指します。章立てに従って、原文を忠実に読解した上で平易な日本語で解説して行きますので、翻訳書で『存在と時間』を読むよりもはるかに容易にその内容を理解することができます。また、なぜハイデガーはこの書を完成させることができず、未完のままに終わったのか、その「限界」についても、本書を読み進めていけば、おのずと理解できるでしょう。 二〇世紀最高の哲学者といわれるマルティン・ハイデガー。その出世作にして代表作、『存在と時間』は、哲学史上、最も難解な書として知られています。 プラトン、アリストテレスによって完成されたギリシア哲学に始まり、以後、2500年の歴史を持つ西洋哲学の通念をすべてひっくり返すという、前代未聞の企ての大胆さ、ハイデガー自身の言い回しの必要以上の難解さ、加えて日本語で読む場合には、ドイツ語を日本語という全く文法システムの異なる言語へと翻訳しなければならないという、もう1つ余分なハードルまでもが加わって、専門家以外には、なかなかその真意が伝わらないのが現状です。 そこで本書では、巷でよく見られるハイデガー的な「業界用語」を排し、可能な限り日常の日本語で『存在と時間』を理解することを目指しています。そのために著者はこの本の執筆に10年の歳月をかけました。 『存在と時間』の章立てに従って、それぞれの章ではハイデガーが何を問題にし、何を言いたかったのかが、原文を忠実に読み解いた上で平易な日本語で読み解かれて行きますので、この1冊で、翻訳書で『存在と時間』を読むよりははるかに容易にその内容を理解することができます。また、なぜハイデガーはこの書を完成させることができず、未完のままに終わったのか。その「限界」についても、本書を読み進めていけば、おのずと理解できるでしょう。 その難解さゆえに謎めいた魅力を放つ『存在と時間』という書を理解するのに最適です。 序論 第一章 『存在と時間』という書物の成立 第二章 「存在の問い」は何を問うのか 第三章 現存在の存在の分析 第四章 本来性と非本来性は何を意味するか 第五章 『存在と時間』はなぜ完成されなかったのか あとがき
レビュー(15件)
存在と時間を読むより先に読みたかった。 ハイデガー、存在と時間に興味がある人は この本をいち早く読むことを強く薦める。
何冊か「存在と時間」関連の本で挫折しております。この本は、平易な日本語での記述が特徴とのことで再度挑戦しております。読了目指して奮闘中です。
どうにか理解できているような
この本はAMAZONのkindle用を買っていますが、呆け防止に妻と抄読会をすることになり、この本を候補とすることとなり文庫本を購入しました。文庫本では結構厚みがあったことに驚いています。 他のハイデガーの入門書より腑に落ちるところが多いような気がしますが、AMAZONでの批判的な書評をみると、この本での理解でいいのか迷うところです。とにかく最後まで読み通す予定です。