思い出深い昭和歌謡にまつわるエッセイ集
270万部の大ベストセラー『国家の品格』の著者・藤原正彦氏による、エッセイ集です。
藤原氏自らが明治から昭和期の歌謡曲、詩歌を厳選。詩、メロディに対するこれまでの想い出と、これからの行く末を感慨深く綴りました。藤原氏の父・新田次郎、母・藤原てい両氏の愛唱歌とともに、その人となりが目に浮かぶような、身近に感じさせるような「身内の」エピソードが満載です。
収録曲としては、童謡・唱歌『赤とんぼ』『夏の思い出』『この道』『椰子の実』や、昭和のヒット曲『山小屋の灯火』『誰か故郷を想わざる』『長崎の鐘』『津軽のふるさと』など、幅広いジャンルの中からの懐メロ全34曲。月刊誌『サライ』で大好評を博している連載エッセイに、今回は大幅加筆してまとめました。
NHK朝の連続ドラマ「エール」に端を発する昨今の「古関裕而ブーム」、「昭和歌謡ブーム」を大いに盛り上げます。
レビュー(2件)
続編の発刊を願う
数学者と聞けば、客観性と分析が持ち味という先入観を私は持つが、この本は、分析は別として客観性とは真逆で主観とユーモアの塊である。 祖母や両親から聞いた歌、その他関わった歌、好きな歌に、昨今の時流に組みしない独自のユーモア溢れるコメントに満ち、面白く共感の内に読み終えた。「行動はパーソナリティと環境の相関」と言われるが、筆者のユーモアと皮肉が両親やその他との関係により大袈裟に表現されている。時代背景やその変化で悪者扱い・悪評価に転じる歌手や作者を庇う正義感も示す。続編の発刊を期待する。 欲を言えば、採り上げた歌は全歌詞の掲載及び注釈の充実を願いたい。例えば「暁に祈る」であれば余り歌われない3番と4番の記載、「青葉の笛」であれば2番の「花や 今宵」の歌の全句を挙げた方が理解が進むだろう(「行き暮れて 木の下陰を宿とせば 花や今宵の 主ならまし」)。 以上