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生真面目なサラリーマンの河合譲治は、カフェで見初めた美少女ナオミを自分好みの女性に育て上げ妻にする。成熟するにつれて妖艶さを増すナオミの回りにはいつしか男友達が群がり、やがて譲治も魅惑的なナオミの肉体に翻弄され、身を滅ぼしていく。大正末期の性的に解放された風潮を背景に描く傑作。
生真面目なサラリーマンの河合譲治は、カフェで見初めた美少女ナオミを自分好みの女性に育て上げ妻にする。成熟するにつれて妖艶さを増すナオミの回りにはいつしか男友達が群がり、やがて譲治も魅惑的なナオミの肉体に翻弄され、身を滅ぼしていく。大正末期の性的に解放された風潮を背景に描く傑作。
レビュー(613件)
ひさしぶりに読みましたが、たのしめました
マイ・フェア・レディの失敗
大正時代の半ば。電気会社の技師・譲治は、見染めた15歳の女・ナオミを一人前のレディに育てようとするが、相手の方が遥にしたたか。立場が逆転していく。女は強く、男は純情、と言ってしまえばそれまでだが、大正という時代を鑑みると、たとえそれが西欧化していく背景にあっても、すごい小説と言わねばならない。ささすがに文豪たる所以か。
楽天セールの時に本をまとめ買いしました。これもその一つです。
コメントは必要ないでしょう^^読めばわかります^^
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生真面目な男はカフェで出会った給仕係の少女を引き取り、理想の女に育て上げようとする。はじめのうちこそ仲むつまじく生活していた二人だったが、日に日に成長し魔性の女として目覚めゆく女は家出や浮気を繰り返すようになり、いつの間にか二人の支配関係は逆転してしまうといった話。 日本文学史上最強のマゾヒスト小説家であり、「痴人の愛」はおよそこの世に出版されている古今東西全ての小説の中でも特に素晴らしい。文章、文体が美しいからではないだろうか。もうひとつ、性の交錯した現代でないからこそ、過去のこの時代に書かれたものであることを評価したい。