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「それはメリー・ゴーラウンドによく似ている。それは定まった 場所を定まった速度で巡回しているだけのことなのだ。どこにも行かないし、降りることも乗りかえることもできない。誰をも抜かないし、誰にも抜かれない」人生という回転木馬の上で、人は仮想の敵に向けて熾烈なデッド・ヒートをくりひろげる。事実と小説とのあわいを絶妙にすくいとった、村上春樹の8つのスケッチ。 都会の奇妙な空間 人生というメリー・ゴーラウンド そこでデッド・ヒートを繰りひろげるあなたに似た人ーー 現代の奇妙な空間ーー都会。そこで暮らす人々の人生をたとえるなら、それはメリー・ゴーラウンド。人はメリー・ゴーラウンドに乗って、日々デッド・ヒートを繰りひろげる。人生に疲れた人、何かに立ち向かっている人……、さまざまな人間群像を描いたスケッチ・ブックの中に、あなたに似た人はいませんか。 はじめに・回転木馬のデッド・ヒート レーダーホーゼン タクシーに乗った男 プールサイド 今は亡き王女のための 嘔吐1979 雨やどり 野球場 ハンティング・ナイフ
レビュー(236件)
村上春樹さんの本を初めて買いました(*´ω`*)電車通勤なので読みます(`・ω・)!!
実は小説ではありません
この本は冒頭で村上さんが書いているように、小説ではありません。エッセイでもなく、実話に基づくある種のインタビュー記事のようなものです。 9編の話が入っておりますが、不思議な話が幾つも出てきます。でも村上さん曰く、事実をできるだけ忠実に表現したスケッチのようなものだそうです。 「彼が私に向かって言った最後のことばは私の耳にまだはっきりと焼きついています。『カロ・タクシージ-----よいご旅行を』」そう言って彼女は膝の上で両手をあわせた。「素敵なことばだと思いませんか?そのことばを思い出すたびに私はこんな風に思うんです。私の人生は既に多くの部分を失ってしまったけど、それはひとつの部分を終えたというだけのことであって、まだこれから先何かをそこから得ることができるはずだってね」彼女はため息をつき、それから唇を少しだけ横に広げるようにして微笑んだ。 ---「タクシーに乗った男」より 読んでみるとどれもおもしろい話で、村上さんの文章を介すると、どの話も少し膨らませるだけで1つづつの小説になりそうです。
★あらすじ★ 現代の奇妙な空間──都会。そこで暮らす人々の人生をたとえるなら、それはメリー・ゴーラウンド。人はメリー・ゴーラウンドに乗って、日々デッド・ヒートを繰りひろげる。人生に疲れた人、何かに立ち向かっている人……、さまざまな人間群像を描いたスケッチ・ブックの中に、あなたに似た人はいませんか。
アンダーグラウンドや日のあたる場所と同様、語り部としての村上春樹の卓越した才能を感じられずにいられません。
35歳の僕へ”プールサイド”
短編集です。35歳になり人生を振り返る男の話”プールサイド”。ちょうど35才になる自分へのプレゼントで買いました。相変わらずけだるい感じが好きです。