古文書の入門書では、基礎的な語彙や崩し字の学習から始まり、証文や手紙、お触書などを読み解くことがほとんどです。しかし、基本的な文字が読めるようになると、もう少し、まとまった文章が読みたくなることでしょう。この版本は、内容の面白さに加えて、原文に読み仮名がついており、読み進めるうちに自然と古文書力が身に付くこと間違いなく、古文書ファン必見の書として、お勧めします。 読者の興味に合わせて、見開き右ページの古文書のみを読み進めるもよし、左のページを参照しながら、文字解読の学習をするのにも好適ですし、現代語の訳文を読んで、物語の内容を楽しむなど、いろいろな活用方法が可能です。 なお、内閣文庫の「古老軍物語」は、全六巻ありますが、本書は、その第五巻を編集したもので、国立公文書館デジタルアーカイブの元画像にトリミングを加えたり、挿絵の部分を冒頭にまとめたりしています。 また、見開き左ページ翻刻部分は、影印文と対照できるように、変体仮名に対応する漢字を使用し、濁点を省略しています。左ページ翻訳部分の漢字については、日常的にあまり使われないものをひらがな表記にしたり、読点を多用したりして意味を取りやすくしました。 この版本には、読み仮名が付されているので、読み取りは、さほど困難ではないものの、特別な読み方や異なった漢字をあてている部分があるため、本文の下欄に読み仮名の一部や簡単な説明を記しました。
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