はばかりながら読む漢字の文化史!
「且」は男性、「也」は女性の何を表す……?
性、死、名前、トイレなどのタブーをめぐる、ゆたかで隠微な漢字の世界。
中国科学院の院長までつとめた郭沫若の「士」=男根説。性器はやはり「陰」と「陽」で表される。「死」という漢字を避ける習慣。「トイレにいく」が「解手」となるわけ。皇帝やその祖先の実名を厳重に避ける「避諱」とは──。日常の話から歴史や逸話まで、幅広く、豊富な話題を紹介しながら、漢字とタブーの関係を鋭く、面白くつづった会心の名篇。
男女の性行為とか排泄、あるいは女性の生理などに関係することがらは、これまでは「隠しごと」とされ、それを表すことばや文字は社会の表層からはなかなか見えなかった。しかしそんな「隠しごと」も、人間の暮らしと社会の様相を示すものであることにはまったく変わりなく、実際に「隠しごと」に関してのソフトもハードも、時代とともに着実に進化を遂げてきた。そして文字も、その変化発展に完全に対応してきたのである。──本書「あとがき」より
序章 言い換えられることば
第一章 「性」にまつわる漢字
【1】タブーの漢字を書かない理由
【2】性器を表す漢字
第二章 「死」をめぐる漢字
第三章 大小便と「月のさわり」
【1】大小便について
【2】月のさわりについて
第四章 名前に関するタブー
レビュー(3件)
知らないことがいっぱい
タブー・・・ということで、下ネタに属すること、死などの忌み言葉、などなどが紹介されています。 いわゆるfour letter wordsに属するようなコトバについては、読者が軽々に中国語ネイティブ相手に使ってとんでもないことにならないようにと、現代語で活きているコトバは一切載っておらず、すでに古語、死語となった用例のみを紹介するという慎重さです。 この本の中で、今までまったく知らないことで、また、大変に興味を惹かれたのが、「諱(いみな)」を避けるという習慣のことで、例えば、孔子や皇帝や自分の父祖の本名を文章などで書くことは非常な不敬に当たるので、苦労して別の言葉に言い換えたり、一画抜いて漢字を未完成にして書いたり、それでもうっかりして罰されたり・・・と、それはそれは面倒で気を遣うのですが、近代に入るぐらいまで脈々と行われてきたということでした。これにより、何の字が避けられているかによって、当該文献の作成された年代を推計したりもできるそうです! いろいろ勉強になる本でした。