特攻の起源をたどると、「志願だった」という主張と「命令だった」という証言が混在し、ぶつかりあっている。
日本特有のあいまいさの中から生まれた特攻、そのメカニズムはもしかすると現代のこの国にも通じているのではないかー。
「本当のことを伝えてほしいんだよね」
「世間で言われている特攻なんて、うそばっかり」
若者が国を守るために命をささげる美談として伝えられてきた特攻。戦果でなく、死を目的とした「特攻」とは、何だったのか。
元特攻隊員や遺族らへの取材を重ね、浮かび上がってきた特攻の“真実の姿”が、時を超え今、生々しく迫る。敵艦へ体当たりを命じられながら、戦果を上げ何度も生還した特攻隊員。帰還隊員を“仕置き”した参謀は、復讐を恐れ、護身用のピストルを80歳まで手離せなかった。「お国のために」志願した少年飛行兵は、出撃を免れ、終戦とともにソ連の捕虜となった。脱走、密告、シベリア抑留…。
戦禍をくぐり抜けた時代の生き証人の物語に、あなたもいつしか引き込まれる!
レビュー(2件)
視点
特攻については、これまで様々な人たちが、あらゆる証言をもとに多くの著作を綴ってきた。今さら新しい事実は無かろうと初めから期待はしていなかったが、まさにその通りで、林えいだい氏の書物が無ければ本書は、その5分の1も書けなかっただろう。引用だけでなく、文章の重複も多々ある。現代の役所や企業にもなお、通じるところがあり、それらに結びつけたところが新聞記者らしいと言えなくもないが、無理に付け加える必要も感じなかった。