さまざまな人びとの関係構築に欠かせず、さらにその背後にある「信頼」関係を裏打ちする翻訳という営為を手がかりに、ムスリムを中心とするコネクティビティの拡大過程を考察する。思想の翻訳、国際商業における通訳の役割、司法における多元主義を切り口として、言語の転換が果たす役割を明らかにする。
総論 さまざまな人々をつなぐ翻訳の役割(野田仁)
第1部 イスラームの知の移動と多言語への翻訳
第1章 完全人間としてのムスリム君主(矢島洋一)
第2章 『天方詩経』、アラビア語韻文の敢然たる翻訳ーー19世紀中国ムスリムによる非ムスリムとの信頼関係の構築(中西竜也)
第2部 国際商業における翻訳
第3章 ムガル朝におけるオランダ東インド会社と通訳(嘉藤慎作)
第4章 交易品としてのインドの織物とその「翻訳」(和田郁子)
第3部 帝国の翻訳者
第5章 15世紀末–19世紀ロシアの東方言語の通訳官(濱本真実)
第6章 東南アジアのマレー・ムスリム社会における近代性の翻訳(坪井祐司)
第4部 多元的法体制における翻訳
第7章 多言語社会の中のオスマン憲法(高松洋一)
第8章 ロシア帝国統治下のムスリム遊牧民の慣習法(野田仁)
第9章 インドネシアにおける法の多元性と「翻訳」(高野さやか)
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