第 36 回フィヒテ協会大会は,COVID-19 の影響のため,オンラインによる短縮された形での開催を余儀なくされましたが,例年どおり『フィヒテ研究』には力作を揃えることができました.巻頭には,4 回目となった「テクスト研究」の論考(提題者:寺田俊郎氏,熊谷英人氏,司会:杉田孝夫氏)が掲載されております.今回取り上げられたテクストは,「カント『永遠平和のために』論評」(Zumewigen Frieden. Ein philosophischer Entwurf von Immanuel Kant) でした.次に,シンポジウム「フィヒテとロマン主義」に関する総括(大橋容一郎氏)と提題をもとにした論考(平井涼氏,小林信行氏,松岡健一郎氏)が続きます.シンポジウムのタイトルにふさわしく,フィヒテとロマン主義を主題とし,とりわけノヴァーリスあるいはシュレーゲルとフィヒテの関係に焦点をあてた議論が展開されています.また今号には,公募論文が 1 本掲載されております.若手研究者によるすぐれた研究論文です.これらに続けて,ヴィルヘルム・G・ヤコプ著(鈴木崇夫,パトリック・グリューネベルク訳)『フィヒテ入門講義』の若手研究者による書評(橘智朗氏)が掉尾を飾ります.
(編集後記より)
【テクスト研究】 カント『永遠平和のために』論評
「カント『永遠平和のために』論評」の意味とコンテクスト (杉田孝夫)
フィヒテ「カントの『永遠平和のために』論評」を読む (寺田俊郎)
政体論の発見──フィヒテはカントの『永遠平和論』をどう読んだか── (熊谷英人)
【シンポジウム】 フィヒテとロマン主義
「フィヒテとロマン主義」司会報告 (大橋容一郎)
ノヴァーリスにおける反基礎づけ主義の哲学をめぐって (平井 涼)
超越論的哲学から超越論的ポエジーへ──フリードリヒ・シュレーゲルのフィヒテ受容(1795‒98 年)──(小林信行)
フリードリヒ・シュレーゲルにおける「フィヒテ知識学の精神」とその射程 (松岡健一郎)
【研究論文】
イェナ期におけるフィヒテ自我論の一考察──非我との相互規定的な関係から──(尾崎賛美)
【書 評】
ヴィルヘルム・G・ヤコプス著(鈴木崇夫,パトリック・グリューネベルク訳)『フィヒテ入門講義』 (橘 智朗)
【独文要旨】
【報 告】
日本フィヒテ協会会務報告 (鈴木伸国)
編集後記 (舟場保之)
レビュー(0件)