生物の科学 遺伝 2023年11月発行号(Vol.77-No.6)
特集:微生物の集団性と社会性の創発
単細胞生物である微生物,実は1匹でふらふらと生活しているのではなく,ほとんどがさまざまな環境下で集団で存在していることが研究で分かってきた。
さらに単一の微生物細胞で構成された集団も,局在によって遺伝子発現が異なるなど役割分担され細胞間でコミュニケーションしていること,またそのコミュニケーションも,細胞が密集しているのみならず離れた細胞にも細胞外膜小胞により細胞特異的に情報伝達する仕組みが存在することが明らかになってきている。
本特集では,微生物の集団性と社会性について植物・動物(昆虫)への関係も含めて巻頭グラビア付きで解説,私たち人間を超える壮大なコミュニケーションをしているかもしれない微生物の集団としての振る舞いを明らかにする「集団微生物学」を紹介する。
各連載も必見(「実験観察の勘どころ」「高校生物・ワクワク宣言‼」「大学初年次における生命科学実験」「科学捜査と遺伝学」「植物を集める!!」)。
◎巻頭グラビア
バイオフィルムが描くさまざまなパターン
◎特集目次
総論.集団微生物学のすすめ(野村 暢彦(筑波大学))
1.細菌同士のコミュニケーション(豊福 雅典(筑波大学))
2.バイオフィルムにおける集団性と社会性 -形成メカニズムと表現型のゆらぎ(杉本 真也(東京慈恵会医科大学)/尾花 望(筑波大学))
3.細菌と植物のコミュニケーション -根粒共生を例にして(野田 桃菜・落合 美智・深谷 夢夏・壽崎 拓哉(筑波大学))
4.社会性昆虫と腸内細菌のクロストーク -真社会性昆虫の腸内細菌叢の構造と機能(末次 翔太(福岡大学)/宮崎 亮(産業総合研究所))
◎連載
実験観察の勘どころ
細胞骨格を通常の学校設備で観察する工夫と注意点(片山 豪(高崎健康福祉大学))
高校生物・ワクワク宣言!!
生徒とともに,超強力小麦「ゆめちから」(コムギ品種)の強さとすばらしさを探る(山崎 直也(北海道帯広農業高等学校))
大学初年次における生命科学実験
[第4回]高等学校における探究力の育成を目指した実験プログラム(関根 康介(立命館慶祥中学校・高等学校)/高橋 梨緒(初芝立命館中学校・高等学校))
科学捜査と遺伝学
[第5回]法科学におけるエピジェネティクス -DNAメチル化解析により事件の解決を目指す(渡邊 賢(科学警察研究所))
植物を集める!!
[第12回]リンゴの故郷(長田 敏行(京都大学名誉教授,法政大学名誉教授))
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