物理学者ファインマンが産み出した理論的手法である“経路積分”は、直観的見通しのしやすさと扱いのしやすさなどから、素粒子理論をはじめとして物性理論や化学の分野にまで広く浸透し使われるに至っている。この、広く現代物理学を扱う上で強力な道具となりうる経路積分について、長年場の量子論の研究をしてきた著者が、“扱いやすさ”を念頭におき、できうる限り丁寧に解説することを心がけて執筆した。読者の実力養成のために、多くの例題と練習問題(節末問題)を配置し、巻末の付録にはこれらの計算で用いる公式を(証明も含めて)挙げて、学習の便宜を図った。
1.入り口
1.1 電子の状態 -状態・ケット・ブラ・演算子ー
1.2 位置完全性・位置演算子
1.3 並進と運動量演算子
1.4 状態の時間変化
2.経路積分表示
2.1 ファインマン核の経路積分表示
2.2 もう1つの経路積分表示
2.3 フェルミ粒子の経路積分表示
3.統計力学と経路積分のユークリッド表示
3.1 統計力学の復習
3.2 統計力学と経路積分
4.経路積分計算の基礎
4.1 調和振動子の経路積分
4.2 調和振動子の分配関数
4.3 ボース系の分配関数
4.4 フェルミ系の分布関数
4.5 連続表示での経路積分
5.経路積分計算の方法
5.1 摂動論
5.2 WKB近似 -ループ展開ー
5.3 補助場の方法
付録
A.解析力学の復習
B.グリーン関数と演算子のT(時間)積
C.デルタ関数とシータ関数
D.ガウス積分公式
E.分配関数で必要な無限和を含む公式
F.±1のN乗根に関する公式
G.参考文献
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