詫びとは欧米に対抗しうる価値観として作り出されたもので、貧しさにある種の価値を見いだしたかつての質実な日本人の姿そのものであり、さびとはそれを美に昇華させたものである旨の話はなるほどなと思いました。 ただ、著者も冒頭に書いてしまってますが、全体としてまとまってなくて、見出しを追っても構成がよくわからないし、同じような話が繰り返してたりで、はっきり言って読みにくかったです。,長野オリンピックがあった時に長野市に住んでいて、来日した外国人と話す機会がありました。街の状況は話ができたのですが、日本のことがあまり話せなかったので、ずっと気になっていました。いま、関東に住んでいるので、2020年のオリンピックの時には、日本のことが話せるようになりたいと、『古事記』『源氏物語』『奥の細道』など古典を読んでいました。書店で、この本を開いたら、「日本人なのに、わびさびが説明できない」という文字が目に飛び込んできて、すぐに買いました。「わびさび」というと、寂れた佇まいや渋い茶碗くらいのイメージしかなかったのですが、この本には奥深い本質が説かれています。日本に古くから伝わる仏教が、侘び然び(わびさび)に影響しているのはとても納得がいきます。寂び(さび)ではなく、然び(さび)という漢字で表した方が、さびを広い意味で解釈できるという指摘も、私のとても狭かった「わびさび」のイメージを広げてくれました。驚いたことに、侘び然び(わびさび)とは日本の専売特許と思っていましたが、「ヨーロッパにおける侘び然び幽玄」という章で、欧州の建築物などを例にあげて、侘び然び(わびさび)がヨーロッパ人にあることが説明されています!20年のオリンピックまでに、欧州の人たちとわびさびを語れるまでになれればと思っています。,我が家は、読売新聞、産経新聞の2つを取っている。 (日本を陥れる記事ばかり書いてある朝日だか夕日だかはとらない!! とおじいちゃんの遺言があるのだ。) この2紙に大きく広告が出ていたので、書店に行ってみた。 タイトルにぴったりの品のいい表紙。 紙もずいぶん凝っていて、出版社が力を入れていることがうかがえる。 内容を確認し、いつものネットで購入。 この本には、日本人として一番大事なことが書いてある。 そう感じた。 あらゆる日常の場面を通して、「寂び然び」についてわかりやすく語って あるから簡単に読めると思ったら大間違いだった。 う~ん、難しい! だから、ほんとうは五つ星なんだけど、あえて4個に。 わかりやすい! だけど、難しい! だけど面白い! そして、深い! 従来の「寂び然び」論を覆す内容に驚き、ショックを受け、 読みながら何度も立ち止まってしまう。 この本を読んで人生が変わってしまう。 そんなすごい本だ。,「わびさび」の違いについて理解したいと思って、手に取りました。 ところが読んでみたら、単に「侘び然び」の言葉の違いについて 説明している本ではありませんでした。 日本人の歴史を振り返り、「侘び然び」がどのように成立してきたか分析し、 いまの日本と日本人の問題点を指摘し、今後どう進むべきか指針を示していました。 日本が世界に冠たる精神の国として再生し、さらなる進化をとげるための指針です。 さらに、「侘び然び」は、日本固有のものではなく、ヨーロッパにもあり、 本来、東洋哲学につらなるものとして説明されていました。 「侘び然び」の根本は、孤絶感である、と。 「侘び然び」とは、死生観であり、人間としての生きざまを問うものでした。 最後はあまりにも高次元の話で理解できなかったのですが、 本書の「侘び然び」論のスケール感は圧巻でした。 本流となるべき正統派「侘び然び」論がようやく世に出されたといっていい ほどの重みがあります。,「幽玄は美であるが、単なる美ではない。そこには「侘び」同様に「生命」を賭した覚悟が求められているのである。その体験を幼い時より経て来た者でない限り、この「幽玄」「侘び」も現前せし美として昇華するだけのものには成り得ないのである。」 覚悟か。侘びしさ、寂しさ、死者の舞である能の幽玄に覚悟を求めてくるのか。 生死を諦めぬ者には、その本当の姿を見せてくれないのか。 自ら鋒を突きつけて、その極限に自然体であれと云うことなのか。 少々難解だが、その力にぐいぐい引き込まれていく。 今迄の偏狭な「侘び寂び幽玄」を壊す覚悟がある方はどうぞ。
レビュー(6件)
詫びさびの定義付け
詫びとは欧米に対抗しうる価値観として作り出されたもので、貧しさにある種の価値を見いだしたかつての質実な日本人の姿そのものであり、さびとはそれを美に昇華させたものである旨の話はなるほどなと思いました。 ただ、著者も冒頭に書いてしまってますが、全体としてまとまってなくて、見出しを追っても構成がよくわからないし、同じような話が繰り返してたりで、はっきり言って読みにくかったです。
2020年オリンピックまでに。
長野オリンピックがあった時に長野市に住んでいて、来日した外国人と話す機会がありました。街の状況は話ができたのですが、日本のことがあまり話せなかったので、ずっと気になっていました。いま、関東に住んでいるので、2020年のオリンピックの時には、日本のことが話せるようになりたいと、『古事記』『源氏物語』『奥の細道』など古典を読んでいました。書店で、この本を開いたら、「日本人なのに、わびさびが説明できない」という文字が目に飛び込んできて、すぐに買いました。「わびさび」というと、寂れた佇まいや渋い茶碗くらいのイメージしかなかったのですが、この本には奥深い本質が説かれています。日本に古くから伝わる仏教が、侘び然び(わびさび)に影響しているのはとても納得がいきます。寂び(さび)ではなく、然び(さび)という漢字で表した方が、さびを広い意味で解釈できるという指摘も、私のとても狭かった「わびさび」のイメージを広げてくれました。驚いたことに、侘び然び(わびさび)とは日本の専売特許と思っていましたが、「ヨーロッパにおける侘び然び幽玄」という章で、欧州の建築物などを例にあげて、侘び然び(わびさび)がヨーロッパ人にあることが説明されています!20年のオリンピックまでに、欧州の人たちとわびさびを語れるまでになれればと思っています。
日本人として一番大事なこと
我が家は、読売新聞、産経新聞の2つを取っている。 (日本を陥れる記事ばかり書いてある朝日だか夕日だかはとらない!! とおじいちゃんの遺言があるのだ。) この2紙に大きく広告が出ていたので、書店に行ってみた。 タイトルにぴったりの品のいい表紙。 紙もずいぶん凝っていて、出版社が力を入れていることがうかがえる。 内容を確認し、いつものネットで購入。 この本には、日本人として一番大事なことが書いてある。 そう感じた。 あらゆる日常の場面を通して、「寂び然び」についてわかりやすく語って あるから簡単に読めると思ったら大間違いだった。 う~ん、難しい! だから、ほんとうは五つ星なんだけど、あえて4個に。 わかりやすい! だけど、難しい! だけど面白い! そして、深い! 従来の「寂び然び」論を覆す内容に驚き、ショックを受け、 読みながら何度も立ち止まってしまう。 この本を読んで人生が変わってしまう。 そんなすごい本だ。
侘び然びにこれほど深い意味があるとは!
「わびさび」の違いについて理解したいと思って、手に取りました。 ところが読んでみたら、単に「侘び然び」の言葉の違いについて 説明している本ではありませんでした。 日本人の歴史を振り返り、「侘び然び」がどのように成立してきたか分析し、 いまの日本と日本人の問題点を指摘し、今後どう進むべきか指針を示していました。 日本が世界に冠たる精神の国として再生し、さらなる進化をとげるための指針です。 さらに、「侘び然び」は、日本固有のものではなく、ヨーロッパにもあり、 本来、東洋哲学につらなるものとして説明されていました。 「侘び然び」の根本は、孤絶感である、と。 「侘び然び」とは、死生観であり、人間としての生きざまを問うものでした。 最後はあまりにも高次元の話で理解できなかったのですが、 本書の「侘び然び」論のスケール感は圧巻でした。 本流となるべき正統派「侘び然び」論がようやく世に出されたといっていい ほどの重みがあります。
「生命」を賭した覚悟
「幽玄は美であるが、単なる美ではない。そこには「侘び」同様に「生命」を賭した覚悟が求められているのである。その体験を幼い時より経て来た者でない限り、この「幽玄」「侘び」も現前せし美として昇華するだけのものには成り得ないのである。」 覚悟か。侘びしさ、寂しさ、死者の舞である能の幽玄に覚悟を求めてくるのか。 生死を諦めぬ者には、その本当の姿を見せてくれないのか。 自ら鋒を突きつけて、その極限に自然体であれと云うことなのか。 少々難解だが、その力にぐいぐい引き込まれていく。 今迄の偏狭な「侘び寂び幽玄」を壊す覚悟がある方はどうぞ。